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ハイライト 市場予測 2019年第4四半期のストラテジー見通し:「見せて」相場 2019年第4四半期のストラテジー見通し:「見せて」相場 投資ストラテジー: 市場は「実績を見せて(show me)」の段階に入っています。株式が持続的に上昇するためには、より良好な経済指標と貿易交渉における実質的な進展が必要です。当社は両方の前提が実現すると考えています。それまでは、リスク資産が下押し圧力にさらされる可能性があります。 グローバル・アセット・アロケーション: 投資家は12か月の見通しでは株式を債券に対してオーバーウェイトすべきですが、短期的には下方リスクに対するヘッジとして通常より高めの現金ポジションを維持してください。 株式: グロースがボトムアウトした後は、新興市場(EM)および欧州株がアウトパフォームするでしょう。金融を含む景気循環性セクターは、成長サイクルが反転したときにディフェンシブをアウトパフォームし始めます。 債券: 中央銀行はハト派姿勢を維持するでしょうが、世界的な成長の強まりを背景にイールドはそれでも緩やかに上昇する見込みです。国債よりもハイイールドのコーポレート・クレジットを優先してください。 通貨: 逆景気循環的通貨である米ドルは今年後半にピークを迎えると見ています。 コモディティ: 原油および産業用金属の価格は上昇するでしょう。金価格は足踏み状態に入っていますが、インフレがついに顕在化する来年末または2021年に再び注目を集めるはずです。 特集 クライアントの皆様へ、 本レポートに代えて、私は10月7日月曜日の東部夏時間(EDT)午前10時にウェブキャストを開催し、年末以降に想定される主要な投資テーマと見解について説明しました。 敬具, ピーター・ベレジン、チーフ・グローバル・ストラテジスト   I. グローバル・マクロの見通し 世界経済の試練期 世界経済は重要な岐路に差し掛かっています。成長は2018年初めから減速しており、多くの者が「失速速度(stall speed)」とみなす水準に達しています。これは経済の弱さが自己強化的に作用し始め、景気後退を引き起こす可能性があるポイントです。 成長の減速はさらに悪化するのでしょうか。私たちの見立てではそうはならないと考えます。ここ4か月で世界の金融環境は大幅に緩和しており、その一因は多くの中央銀行によるハト派への転換です。金融環境の緩和は通常、世界成長にとって好材料です(図表1)。当社のグローバル先行指標は上向きになっており、主に新興市場のデータのわずかな改善によるものです(図表2)。 図表1金融環境の緩和は世界成長を押し上げる 金融環境の緩和は世界経済の成長を押し上げるだろう。 金融環境の緩和は世界経済の成長を押し上げるだろう。 図表2グローバル先行指標は底を抜けた グローバルLEIは安値から反発した グローバルLEIは安値から反発した     重要な問いは、製造業の弱さがより大きなサービス業セクターへ波及するかどうかです。これは起きつつあるという証拠があり、昨日の予想を下回るISM非製造業指数の発表が最新の例です。それでも、サービス業の活動の減速はこれまでのところ限定的です(図表3)。製造業比率の高いドイツでさえ、サービス業PMIは拡張域にあります。これは、製造業とサービス業の活動が足並みをそろえて崩落した2001/02年や2008/09年と大きく異なる点です。 図表3Aサービス業は製造業ほど軟化していない(I) サービス部門の軟化は製造業ほど顕著ではない(I) サービス部門の軟化は製造業ほど顕著ではない(I) 図表3Bサービス業は製造業ほど軟化していない(II) サービス業は製造業ほど弱まっていない(II) サービス業は製造業ほど弱まっていない(II) ドライブバイ的な減速 多くの投資家に製造業の減速の理由を尋ねれば、貿易戦争や中国のデレバレッジ政策を挙げるでしょう。これらは確かに妥当な理由ですが、あまり知られていないもう一つの犯人があります:自動車です。 WardsAutoによれば、世界の自動車販売は年央の上半期に5%超減少し、グレート・リセッション以来最大の落ち込みとなりました(図表4)。生産はさらに大きく落ち込みました。 図表4自動車セクターの弱さが製造業の下落を悪化させた 自動車セクターの弱さが製造業の低迷を一層悪化させた 自動車セクターの弱さが製造業の低迷を一層悪化させた 図表5米国の自動車需要は回復しつつある 米国の自動車需要は回復している 米国の自動車需要は回復している   世界の自動車セクターの弱さは複数の要因を反映しています。新たな厳格な排出基準、税制優遇の期限切れ、厳格化された自動車ローンの貸出基準の遅行効果、貿易緊張などが一因です。加えて、2015/16年のガソリン価格の下落は一部の自動車購入を前倒しさせた可能性があります。これにより、2015/16年の世界的な製造業の落ち込みが現在の落ち込みの種を蒔いた可能性があります。 自動車の生産が販売よりも速く落ちているという事実は、過剰在庫が解消されつつあることを意味するため、歓迎すべき点です。 米国の自動車ローン貸出基準は正常化し始めており、最新のシニアローンオフィサー調査では銀行が自動車ローンの需要増を報告しています(図表5)。 中国では、自動車販売は今年初めに最大14%の落ち込みを示した後に底を打ちました(図表6)。中国の自動車保有率は米国の5分の1、日本の4分の1、韓国の3分の1程度に過ぎません(図表7)。出発点が低いため、中国の自動車販売は中長期的な上昇トレンドを再開する可能性が高いです。 図表6中国の自動車セクターは底を探している 中国の自動車セクターが底を打ち始めている 中国の自動車セクターが底を打ち始めている 図表7中国:自動車の構造的見通しは明るい 中国:自動車の構造的見通しは明るい 中国:自動車の構造的見通しは明るい   貿易戦争:デタントに向かっているのか? 図表8比較的規則的な3年周期の製造業サイクル かなり規則的な3年周期の製造業サイクル かなり規則的な3年周期の製造業サイクル 製造業サイクルは一般に約3年続きます──成長の減速が18か月、その後成長の上昇が18か月です(図表8)。世界の製造業PMIが2018年上半期にピークをつけたとするなら、現在の下落局面は終盤に差し掛かっているはずです。 もちろん、多くは政策の進展次第です。執筆時点で米中のハイレベルの交渉は再開しています。 これらの協議の結果を予測することは不可能ですが、双方とも対立激化を回避するインセンティブを持っているように見えます。トランプ大統領は経済運営に関しては有権者から他の事柄よりもかなり高い評価を受けており、対中貿易交渉の扱いも含めてそれは当てはまります(図表9)。長期化する貿易戦争は米国の成長と株式市場に悪影響を与え、いずれもトランプ氏の再選可能性を損なうことになります。 図表9トランプは経済運営ではまずまず高評価だが、それ以外は評価が低い 2019年第4四半期のストラテジー見通し:『ショー・ミー』マーケット 2019年第4四半期のストラテジー見通し:『ショー・ミー』マーケット 図表10誰が2020年の民主党指名を勝ち取るか? 2019年第4四半期のストラテジー見通し:「ショー・ミー」マーケット 2019年第4四半期のストラテジー見通し:「ショー・ミー」マーケット 中国も成長を下支えしたいと考えています。中国指導部にとってトランプと対処するのは困難だったにせよ、彼が再選された後に貿易合意を取り付けるのはさらに難しくなるでしょう。特にトランプが中国が自身の再選を妨害しようとしたと考えればなおさらです。 たとえトランプが選挙に敗れたとしても、中国が貿易問題で交渉しやすい相手を得られるかは不透明です。賭け市場が現在ジョー・バイデンよりも民主党候補指名獲得の可能性が高いと見ているエリザベス・ウォーレン大統領と環境基準や人権について交渉したいでしょうか(図表10)? 民主党によるトランプ大統領の弾劾の動きは、貿易解決をやや実現しやすくするでしょう。第一に、それはジョー・バイデン(および彼の息子)のウクライナでの疑わしい取引に注目を集め、中国が支持する米大統領候補に打撃を与えます。第二に、トランプを国内問題に集中させるために中国との争いを早く片付けたいという意向を強めさせる可能性があります。 中国はさらに刺激策を行うか? 戦略的に見て、中国には経済を刺激して成長を支え、貿易交渉でより大きなレバレッジを得る強いインセンティブがあります。 中国のクレジット・インパルスは2018年後半に底打ちしました。このインパルスは中国の名目製造業生産やその他多くの活動指標に約9か月先行します(図表11)。 これまでのところ、中国の信用・財政緩和の規模は、2015/16年および2008/09年に経済へ投入された刺激策には及んでいません。これは部分的には当局が当時よりも今日の過度な債務水準をより懸念しているためですが、同時に経済の状況が当時より良好であることも理由です。 貿易戦争からのショックはグレート・リセッションほど深刻ではありません──中国の対米輸出は付加価値ベースでGDPのわずか2.7%に過ぎないことを思い出してください。2015/16年に中国が1兆ドル超の外貨準備を失ったのとは異なり、今回の資本流出は限定的にとどまっています(図表12)。 図表11中国の刺激策は世界成長を押し上げるはずだ 中国の景気刺激策は世界経済の成長を押し上げるはずだ 中国の景気刺激策は世界経済の成長を押し上げるはずだ 図表12中国:大きな資本流出はない 中国:大規模な資本流出は見られない 中国:大規模な資本流出は見られない 今週初めに発表された予想を上回る中国の購買担当者指数(PMI)データは一縷の望みを提供しています。それでも、8月の活動指標の失望的な数字を踏まえると、中国は今後数か月で刺激のペースを高める可能性が高いです。 当局はすでに預金準備率を引き下げています。今後数か月で政策金利をさらに引き下げると予想します。また、地方政府債の発行を前倒しすることでインフラ支出を押し上げるでしょう。ヨーロッパの成長は改善するはずだ 世界的な成長の回復は今年後半にヨーロッパを後押しするだろう。貿易依存度の高いドイツが最も恩恵を受けるだろう。 チャート13南欧全域でスプレッドは縮小した 南ヨーロッパ全域でスプレッドが縮小した 南ヨーロッパ全域でスプレッドが縮小した チャート14マネー成長の加速はユーロ圏の国内総生産成長に好材料となる マネー供給の加速はユーロ圏のGDP成長にとって好材料 マネー供給の加速はユーロ圏のGDP成長にとって好材料 ソブリン・スプレッドの低下も南欧を支えるはずだ(チャート13)。イタリアの対独国債の10年スプレッドは8月中旬以来ほぼ1ポイント縮小し、イタリアの10年利回りは0.83%まで低下した。ギリシャの10年債は現在米国債より利回りが低くなっている(ギリシャの製造業購買担当者景気指数は現在世界で最も強い)。 欧州中央銀行が再び市場で国債と社債を買い入れているため、借入金利は低い水準にとどまるはずだ。国内総生産の先行指標であるユーロ圏のマネー成長はすでに加速している(チャート14)。民間向け銀行貸出は引き続き加速するだろう。 適度な財政刺激も助けになるだろう。欧州委員会はユーロ圏の財政的な押し上げが2019年に国内総生産比0.5%増加すると見積もっている(チャート15)。保守的に公共支出乗数を1と仮定すると、これはユーロ圏の成長を0.5ポイント押し上げることになる。財政政策の変更と実体経済への影響の間にはタイムラグがあるため、国内総生産成長への恩恵の大部分は今年の残りと2020年に発生するだろう。 チャート15ユーロ圏の財政刺激策も成長を押し上げるだろう ユーロ圏の財政刺激策も成長を押し上げる ユーロ圏の財政刺激策も成長を押し上げる チャート17ブレグジットの不安:後悔の一例 ブレグジットの不安:ブレモースの事例 ブレグジットの不安:ブレモースの事例 チャート16英国:ブレグジットの不確実性が成長を圧迫している 英国:ブレグジットの不確実性が成長を押し下げている 英国:ブレグジットの不確実性が成長を押し下げている 英国では、ブレグジットの不確実性が引き続き成長を圧迫している。英国の企業投資は特に大きな打撃を受けている(チャート16)。ボリス・ジョンソン首相は10月末に合意の有無にかかわらず英国を欧州連合から離脱させると主張し続けている。我々は彼の虚勢をあまり重視しないつもりだ。最高裁判所はすでに議会を閉鎖しようとする彼の試みを否定している。国民はブレグジットの望ましさについて再考している(チャート17)。ブレグジットの筋書きの正確な展開について我々は確固たる見解を持っているわけではないが、合意なきブレグジットの確率は低いと考えている。これは英国の成長とポンドにとって好材料だ。 日本:オウンゴール 最近の日本のデータは芳しくない。8月の工作機械受注は前年同月比で37%減少した。輸出は8%超縮小し、輸入は12%の減少を記録した。9月の購買担当者景気指数の数値は製造業のさらに悪化を露呈させ、指数は8月の49.3から48.9に低下した。 加えて、鉱工業生産は8月に予想より大きく縮小し、前月比で1%減少、前年同月比では約5%の下落となった。米中貿易交渉をめぐる継続する不確実性や、日本自身と隣国韓国との緊張も日本経済に重荷となっている。 世界的な成長が回復すれば日本の産業活動は今年後半に改善するだろう。しかし、政府は10月1日の消費税引き上げによって成長見通しを助けてはいない。各種の相殺策が税率引き上げの完全な効果を鈍らせるとはいえ、それでも不要な財政引き締めに相当する。 名目国内総生産は1990年代初頭以来ほとんど増加していない。日本に必要なのは名目所得を押し上げる政策だ。そのようなリフレーション政策こそが、経済をデフレのスパイラルに戻すことなく債務対国内総生産比を安定させる唯一の方法かもしれない。1  米国:粘り強く対応 チャート18米国の製造業の割合は他のほとんどの先進国より小さい 2019年第4四半期のストラテジー見通し:「見せて」マーケット 2019年第4四半期のストラテジー見通し:「見せて」マーケット 米国経済は最近の世界的な景気減速の中でも比較的良好に推移してきたが、部分的には製造業が多くの他国よりも国内総生産に占める割合が小さいためだ(チャート18)。 アトランタ連銀のGDPNowモデルによれば、実質国内総生産は第3四半期にトレンドに近い1.8%のペースで増加する見込みだ(チャート19)。個人消費は第2四半期の4.6%の成長の後、2.5%増加する見込みだ。消費は賃金上昇に支えられて堅調であり、個人貯蓄率も高水準にとどまっているため、家計は何らかの不利なショックからの緩衝に備えられるはずだ(チャート20)。   チャート19米国の成長は鈍化したが、依然としてトレンドに近い 2019年第4四半期のストラテジー見通し:『実績を示せ』市場 2019年第4四半期のストラテジー見通し:『実績を示せ』市場 住宅投資はついに回復局面に入ったように見える。着工件数、建築許可、住宅販売はいずれも回復している。住宅ローン金利と住宅建設の密接な関係を考えれば、建設活動は今後数四半期で加速するはずだ(チャート21)。低い在庫と空室率、世帯形成の増加、そして手頃な価格はいずれも住宅市場にとって好材料だ(チャート22)。 チャート20資産との歴史的関係から判断すると貯蓄率は(大幅に)低下する余地がある 貯蓄率は、資産との歴史的関係から判断すると(かなり)低下する余地がある 貯蓄率は、資産との歴史的関係から判断すると(かなり)低下する余地がある チャート21米国の住宅は回復するだろう 米国の住宅市場は回復する 米国の住宅市場は回復する チャート22米国住宅:堅実な基盤の上にある 米国住宅:堅固な基盤の上にある 米国住宅:堅固な基盤の上にある チャート23米国の設備投資計画は高値から後退したが、景気後退水準にははるかに届いていない 米国の設備投資計画は高値圏から後退したが、景気後退水準にはほど遠い 米国の設備投資計画は高値圏から後退したが、景気後退水準にはほど遠い 住宅投資とは対照的に、企業の設備投資は製造業の不況、強いドル、貿易政策の不確実性に押され続けている。コア耐久財受注は8月に減少した。設備投資意向調査も弱含んでいるが、景気後退水準をはるかに上回っている(チャート23)。 ISM製造業指数は9月に2009年7月以来の低水準に達した。報告の内訳はヘッドラインほど悪くはなかった。ISMを2か月先行する受注対在庫の構成要素は再びプラス圏に戻った。弱いISMの数値は、4月以来最高値に上昇したより楽観的なマーキットの米国製造業購買担当者景気指数と対照をなしている。統計的には、マーキットのPMIはISMよりも米国の製造業生産、工場受注、雇用の公式指標をよりよく追跡する。 総合すれば、世界の製造業リセッションが終息し、強い消費支出と改善する住宅市場が国内需要を支えるにつれて、米国経済は今年後半にやや強い成長を示す可能性が高い。 II. 金融市場 グローバル・アセット・アロケーション 市場は「成果を見せてくれ」段階に入っている。株式が持続的に上昇するためには、より良い経済指標と貿易交渉の実質的な進展が必要だ。そのため、投資家は当面下方リスクに備えるために通常より大きめの現金ポジションを維持すべきだ。 チャート24成長が回復すれば株式は債券をアウトパフォームするだろう 成長が回復すれば株式は債券を上回る 成長が回復すれば株式は債券を上回る 幸いなことに、リスク資産価格の下落は一時的である可能性が高い。貿易緊張が和らぎ、我々が予想するように今年後半に世界成長が回復すれば、株式とスプレッド商品は12か月の期間で国債を大きくアウトパフォームするだろう(チャート24)。 確かに、この楽観的な12か月の推奨を覆す要因は数多くある:世界成長がさらに悪化する可能性;貿易戦争が激化する可能性;供給側のショックで石油価格が再び急騰する可能性;英国が「ハード・ブレグジット」でEUを離脱する可能性;そして最後に、エリザベス・ウォーレンあるいはその他の極左候補が次期米国大統領になる可能性などだ。 今日における投資家の主要な問いは、これらのリスクが金融市場に十分に織り込まれているかどうかだ。我々は織り込まれていると考えている。チャート25は、利益利回りと実質債券利回りの差として計算した我々の世界株式リスクプレミア(ERP)の推定値を示す。我々の計算は、株式は依然として債券に比べてかなり割安に見えることを示唆している。 チャート25A株式リスクプレミアは依然かなり高い(I) 株式リスクプレミアムは依然としてかなり高い(I) 株式リスクプレミアムは依然としてかなり高い(I) チャート25B株式リスクプレミアは依然かなり高い(II) エクイティ・リスクプレミアは依然としてかなり高い(II) エクイティ・リスクプレミアは依然としてかなり高い(II) ERPが高いのは今日の超低水準の債券利回りが非常に低い成長見通しを反映しているからに過ぎないと異議を唱える者もいる。その主張には一理あるが、人々が考えるほどではない。過去10年間で米国のトレンド国内総生産成長率は低下したが、債券利回りはさらに大きく低下した。議会予算局が推計する米国の潜在的な名目国内総生産成長率と10年物米国債利回りの差はほぼ2%で、1979年以来の最大となっている(チャート26)。 チャート26債券利回りはトレンドの名目国内総生産成長率よりも大きく低下した 債券利回りは名目GDPのトレンド成長率よりも大きく下落した 債券利回りは名目GDPのトレンド成長率よりも大きく下落した 世界レベルでは、トレンドの国内総生産成長率は1980年以降ほとんど変わっていない。これは主に、成長の速い新興市場が現在世界経済に占める割合を拡大しているためだ(チャート27)。大手多国籍企業にとっては、国内成長よりもグローバル成長の方が経済の勢いを測る上でより重要な指標である。将来の株式リターンの見通し 高いERPは単に株式が債券に対して相対的に魅力的であることを示しているに過ぎません。株式の今後のリターンを絶対的に評価するには、評価水準の絶対レベルを見るべきです。 チャート27世界の成長トレンドは成長の速い新興国(EM)によって安定を保っている チャート27 世界の成長トレンドは、成長の速い新興国(EM)のおかげで堅調に推移している。 世界の成長トレンドは、成長の速い新興国(EM)のおかげで堅調に推移している。 チャート28S&P 500:マージンの上昇はすべてITセクターで発生している S&P 500:マージンの増加はすべてITセクターで生じている S&P 500:マージンの増加はすべてITセクターで生じている 我々が最近のレポート「TINAに救いを求めるか?」で主張したように、2 アーンニングス・イールドは株式の期待実質トータル・リターンの代用指標として用いることができます。経験的には、このことは裏付けられているようです:1950年以降、米国株式のアーンニングス・イールドは平均で6.7%であり、実質トータル・リターンは7.2%でした。 現在、米国株のトレーリングおよびフォワードのPERはそれぞれ21.1と17.4にあります。将来のリターンの指標として両者の単純平均を用いると、米国株は長期的に実質トータル・リターンで5.2%をもたらすはずです。これは歴史的な平均を下回りますが、それでもかなりまずまずのリターンです。 この計算は、米国のアーンニングス・イールドが異常に高い利益率によって一時的に嵩上げされているため、見込み株式リターンを過大評価していると異議を唱える者もいるでしょう。しかしこの議論の問題点は、S&P 500のマージン上昇のほとんどがたった一つのセクター、すなわちテクノロジーで発生していることです。テックセクターを除けば、S&P 500のマージンは歴史的平均から大きくは離れていません(チャート28)。もし高いITマージンが、強力なネットワーク効果や独占的な価格設定力に恩恵を受ける「勝者総取り」型の企業の台頭のような、グローバル経済における構造的変化を反映しているならば、それらは当面の間高止まりする可能性があります。   地域別およびセクター別の株式配分 アーンニングス・イールドは米国外では概ね2ポイント高く、長期的には非米国株が米国株を上回ることが示唆されています。先進国市場では、ドイツ、スペイン、英国が特に割安に見えます。新興国(EM)では中国、韓国、ロシアが非常に魅力的な水準にあります(チャート29)。セクター水準では、景気循環株がディフェンシブ株よりも魅力的に見えます(チャート30)。 チャート29米国株は同業他国と比べて割高に見える 2019年第4四半期のストラテジー見通し:『実証を求める』マーケット 2019年第4四半期のストラテジー見通し:『実証を求める』マーケット チャート31経済成長は12か月の期間で株式を動かす 経済成長は12か月の見通しでエクイティを牽引する 経済成長は12か月の見通しでエクイティを牽引する チャート30景気循環株はディフェンシブ株よりも魅力的である 景気循環株はディフェンシブ株より魅力的 景気循環株はディフェンシブ株より魅力的 チャート32世界成長が改善すると新興国(EM)およびユーロ圏株式はたいていアウトパフォームする 世界経済の成長が改善すると、新興国株式(EM)およびユーロ圏株式は通常アウトパフォームする 世界経済の成長が改善すると、新興国株式(EM)およびユーロ圏株式は通常アウトパフォームする バリュエーションは主に長期リターンの指標として有用です。例えば12か月の期間では、景気、金利、為替に何が起こるかといった景気循環要因がより重要になります(チャート31)。 幸いなことに、我々の景気循環に関する見方は概ねバリュエーションの評価と合致しています。より強い世界成長、より弱いドル、そしてコモディティ価格の上昇は、ディフェンシブよりも景気循環株に恩恵をもたらすはずです。新興国(EM)および欧州の株式市場が米国株に比べてより景気循環色の強いセクター構成である程度において、前者は最終的にアウトパフォームすることになるでしょう(チャート32)。 我々は、世界成長が再加速し始めれば年末までに金融セクターをアップグレードするセクターリストに加えたいと考えています。債券利回りの低下は銀行利益を圧迫してきました(チャート33)。利ざや(ネット金利マージン)への逆風は利回りが上昇し始めると緩和されるはずです。現在フォワード予想利益の7.6倍、簿価の0.6倍で取引され、配当利回りが6.3%と高い欧州の銀行は特に好成績を収める可能性があります(チャート34)。 チャート33A金利上昇とイールドカーブの上方化は金融株に有利に働く(I) 債券利回りの上昇とイールドカーブのスティープ化は金融株に恩恵をもたらす(I) 債券利回りの上昇とイールドカーブのスティープ化は金融株に恩恵をもたらす(I) チャート33B金利上昇とイールドカーブの上方化は金融株に有利に働く(II) 債券利回りの上昇と利回り曲線のスティープ化は金融株に有利(II) 債券利回りの上昇と利回り曲線のスティープ化は金融株に有利(II) チャート35が示すように、金融株への投資はバリュー株への投資と似ています。過去12年間でグロースはバリューを圧倒しましたが、今後12~18か月ではバリューにとってひと息つける局面が訪れるでしょう。 チャート34欧州の銀行は魅力的である 欧州の銀行は魅力的だ 欧州の銀行は魅力的だ チャート35バリューは反転の兆しを見せているか? バリューは転換点にあるか? バリューは転換点にあるか?   フィクスト・インカム チャート36A成長加速で利回りは上昇するはずである(I) 成長が強まれば利回りは上昇するはず(I) 成長が強まれば利回りは上昇するはず(I) ハト派的な中央銀行と、当面は依然として抑制されたインフレが、今後12か月にわたり政府債利回りを抑制するのに寄与するでしょう。それでも、利回りはより強い世界成長を背景に現在の低水準から上昇するはずです(チャート36)。     チャート36B成長加速で利回りは上昇するはずである(II) 成長が強まれば利回りは上昇する (II) 成長が強まれば利回りは上昇する (II) 債券利回りは、中央銀行が予想より多くあるいは少なく政策金利を調整するかどうかによって上昇したり低下したりする傾向があります(チャート37)。投資家は現在、FRBが今後12か月でさらに80ベーシスポイントの利下げを行うと見込んでいます。我々はFRBが10月30日に25ベーシスポイントの利下げを行うと考えていますが、その後の追加利下げは見込んでいません。この緩和局面での累積75ベーシスポイントの利下げは、1990年代のミッドサイクルの景気減速期(1995/96年および1998年)で行われた緩和に相当します。総じて、米国の10年物金利は2020年中頃までに再び2%台前半に入る可能性が高いです。 チャート37Aより強い経済成長は政府債利回りに上方圧力をかける(I) より強い経済成長は国債利回りに上方圧力をかける(I) より強い経済成長は国債利回りに上方圧力をかける(I) チャート36Bより強い経済成長は政府債利回りに上方圧力をかける(II) より強い経済成長は国債利回りに上方圧力をかける(II) より強い経済成長は国債利回りに上方圧力をかける(II) チャート38米国の政府債利回りは海外の利回りよりも景気循環的である 米国国債の利回りは海外の国債利回りより景気と同方向に動きやすい 米国国債の利回りは海外の国債利回りより景気と同方向に動きやすい 米国株が海外の株に比べて低ベータである傾向があるのとは対照的に、米国債は高ベータを持っています。これは、世界の債券利回りが総じて上昇するときに米国の国債利回りが海外よりも大きく上昇し、世界の債券利回りが総じて低下するときに米国の国債利回りが海外よりも大きく低下することを意味します(チャート38)。  さらに、為替ヘッジコストを考慮に入れると、米国債は現在ほかの債券市場よりも利回りが低くなっています(表1)。今後12~18か月で米国利回りが海外よりも大きく上昇するようなことがあれば、米国債のリターンはさらに損なわれるでしょう。その結果、投資家はグローバルな政府債ポートフォリオの中で米国債のウエイトを低めにすべきです。 世界的な成長の強さはコーポレート・クレジット・スプレッドを抑えるはずです。米国の商業・企業向け貸出の貸し出し基準は緩和方向に戻っており、これは通常コーポレート・クレジットにとって強気材料です(チャート39)。我々の米国債券ストラテジストによれば、ハイイールド社債のスプレッド、そして程度は小さいもののBaa格付けの投資適格スプレッドは、経済ファンダメンタルズから見てまだ広めに残っているとされています(チャート40)。3 一方で、より高格付けの投資適格債は相対的な割安度が小さいです。 表1先進国における債券市場の比較 2019年第4四半期 ストラテジー見通し:証拠を求める市場 2019年第4四半期 ストラテジー見通し:証拠を求める市場 チャート39貸し出し基準の緩和はコーポレート・クレジットに良い影響を与える 貸出基準の緩和はコーポレート・クレジットにとって好材料だ 貸出基準の緩和はコーポレート・クレジットにとって好材料だ チャート40米国コーポレート:Baaとハイイールド債に注目 米国コーポレート債:Baaおよびハイイールド・クレジットに注目 米国コーポレート債:Baaおよびハイイールド・クレジットに注目     今後18か月を超えて見ると、インフレが実質的に上昇し始める確率は高いと考えられます。G7全体の失業率は数十年ぶりの低水準に低下しています(チャート41)。完全雇用に達した先進国の割合は新たなサイクル高水準に達しています(チャート42)。フィリップス曲線は死んだといわれることが多いにもかかわらず、賃金の伸びは労働市場の余裕度となお密接に相関しています(チャート43)。 チャート41失業率は低下トレンドを保っている 失業率は低下傾向が続く 失業率は低下傾向が続く チャート42先進国:完全雇用が新たなサイクル高に達している 先進国市場:完全雇用がサイクルの新高値に達している 先進国市場:完全雇用がサイクルの新高値に達している チャート43フィリップス曲線は健在である フィリップス曲線は健在だ フィリップス曲線は健在だ 賃金が上昇し続けると、物価も上昇し始め、賃金・物価のスパイラルを引き起こす可能性があります。その時点でFRBをはじめとする中央銀行は利上げを始めざるを得なくなります。一度金利が制約的な水準に入ると、株式は下落し、クレジット・スプレッドは拡大するでしょう。2022年には世界的な景気後退が生じる可能性があります。 通貨とコモディティ チャート 44ドルは逆循環通貨である ドルは景気循環に逆行する通貨だ ドルは景気循環に逆行する通貨だ 米ドルは逆循環通貨であり、世界的な景気循環とは逆の方向に動く傾向がある(チャート 44)。現時点では米ドルの方向性について強い短期見解は持っていないが、世界成長が反発し始めるにつれて年末までに米ドルは弱含み始めると予想している。 EUR/USDは2020年中頃までに約1.13に上昇する見込みだ。GBP/USDは1.29に上昇するだろう。USD/CNYは7に戻る。USD/JPYは横ばいとなる公算が大きく、これは円の防衛的性格と消費税引き上げによる日本の成長への下押しを反映している。 貿易加重ドルは2021年後半まで下落し続け、その後はより積極的な連邦準備制度(Fed)と世界成長の減速により米ドルは再び上昇するだろう。 ドルが弱含む期間中、コモディティ価格は上昇する(チャート 45)。 チャート 45ドル安はコモディティに恩恵をもたらす ドル安はコモディティの追い風 ドル安はコモディティの追い風 BCAのコモディティ・ストラテジストは、12カ月の視野で特に原油に強気である(チャート 46)。彼らは、世界成長の強化と生産抑制により石油在庫水準が低下すると予想しており、ブレント原油価格は年末までに1バレル当たり70ドルに上昇し、2020年は平均で1バレル当たり74ドルになると見ている。OPECの余剰生産能力(カルテルが生産可能な量と実際に生産している量の差)は現在歴史的平均を下回っている(チャート 47)。原油備蓄はOECD内でも低下傾向にある。サウジアラビアの備蓄も2015年のピーク以降40%超減少している(チャート 48)。 チャート 46供給不足は継続する 供給不足は続く 供給不足は続く チャート 47停止を相殺するための余剰能力の利用可能性は限定的 2019年第4四半期のストラテジー見通し:「見せてみろ」市場 2019年第4四半期のストラテジー見通し:「見せてみろ」市場 チャート 48主要戦略石油備蓄 主要な戦略石油備蓄 主要な戦略石油備蓄 原油価格の上昇は、カナダドル、ノルウェー・クローネ、ロシアルーブル、コロンビア・ペソといった通貨に有利に働くはずだ。 最後に金について少し触れる。我々は8月29日に金のロングトレードを決済し、20週間で20.5%の利益を確定した。依然として、金はより高いインフレに対する優れた長期ヘッジと見ている。ただし短期的には、債券利回りの上昇が金の勢いをそぐ可能性があり、仮にドル安が金を部分的に支援するとしてもその効果は限定的である。インフレが上振れし始めた時点で、来年末か2021年に金のロングポジションを再度組む予定だ。   ピーター・ベレジン、 チーフ・グローバル・ストラテジスト グローバル・インベストメント・ストラテジー peterb@bcaresearch.com 脚注 1詳細はグローバル・インベストメント・ストラテジー ウィークリー・レポート、「高水準の債務はデフレ的か、それともインフレ的か?」2019年2月15日付をご覧ください。 2詳細はグローバル・インベストメント・ストラテジー スペシャル・レポート、「TINAは救いの手となるか?」2019年8月23日付をご覧ください。 3詳細は米国ボンド・ストラテジー ウィークリー・レポート、「社債投資家は連邦準備制度(Fed)に逆らうべきではない」2019年9月17日付をご覧ください。 ストラテジー & マーケット・トレンド MacroQuantモデルと現在の主観的スコア 2019年第4四半期のストラテジー見通し:『見せてみろ』マーケット 2019年第4四半期のストラテジー見通し:『見せてみろ』マーケット タクティカル・トレード ストラテジック・レコメンデーション クローズド・トレード
ハイライト 世界の製造業サイクルはまもなくボトムに達する公算が大きく、消費とサービスは依然として堅調です。今後12か月の景気後退リスクは低く、これは株式が債券より引き続きアウトパフォームすることを示唆しています。 しかし、この楽観的なシナリオに対するリスクは高まっています。消費者信頼感の低下や地政学的緊張の悪化はリスク資産に打撃を与える可能性があります。我々はこれをヘッジするためにキャッシュをオーバーウェイトしています。 中国は現時点では積極的な金融緩和の使用に及び腰です。中国が動くまでは、景気循環性が低い米国株式市場がアウトパフォームするはずです。 中国が景気刺激を本格化させ、製造業サイクルが明確にボトムを打ったときに、新興市場(EM)および欧州株へシフトする可能性があります。この上振れリスクをヘッジするために、我々はファイナンシャルズを戦術的にオーバーウェイトとし、またインダストリアルズのオーバーウェイトとオーストラリアのニュートラルを再確認します。 債券利回りはリバウンドを継続するはずです。デュレーションをアンダーウェイトとし、TIPSを優先します。クレジットは景気循環の視点ではアウトパフォームするはずですが、企業の高負債はリスクですのでニュートラルを推奨します。 推奨 四半期ポートフォリオ見通し:全面的なヘッジ 四半期ポートフォリオ見通し:全面的なヘッジ   特集 概要 万全のヘッジ 世界経済にとって特に不確実な時期であり、資産配分担当者にとっては悩ましい局面です。製造業の活動はまもなく底打ちするのか、それともサービス部門や消費を巻き込んで下押しするのか。債券利回りは強いリバウンドを続けるのか。米連邦準備制度理事会(Fed)は利下げを終了したのか。中国は今や積極的に金融刺激を拡大するのか。イランはサウジアラビアとの対立を激化させるのか。トランプ大統領は次に何をツイートするのか。 こうした環境ではポートフォリオ構築の手腕が試されます。我々はこれらすべての問いについて見解を持っていますが、確信度は通常よりやや低めです。投資家が取るべき対応は、最も起こりそうなシナリオすべてにおいてポートフォリオが強靭であるように資産配分を計画することです。 我々は世界の製造業サイクルがまもなくボトムに達すると予想しています。グローバル先行経済指標はすでに回復しており、グローバルPMIも底打ちの兆候を示しています(チャート 1)。最短期の先行指標であるシティグループ経済サプライズ指数は、欧州を除くすべての地域で最近急上昇しました(チャート 2)。(サイクル底のより風変わりな指標については、7ページのクライアントが尋ねていることも参照してください。)底打ちの要因は、この9か月間の金融環境の緩和、 中国成長の安定化、そして単純に時間の経過です。製造業サイクルの下落局面は典型的に18か月続き、このサイクルは2018年上半期にピークをつけました。 チャート 1底打ちの最初の兆候 底打ちの最初の兆し 底打ちの最初の兆し チャート 2予想外に強いサプライズ 驚くほど強いサプライズ 驚くほど強いサプライズ     同時に、国債利回りはさらに上昇余地があるはずです。Fedはあと一度利下げする可能性がありますが、米国経済の堅調さを踏まえるとそれ以上にはならないでしょう。これはフェドファンド先物が織り込んでいる今後12か月の59ベーシスポイントの利下げよりも小さい幅です。最近の経済サプライズの持ち直しは、米10年国債利回りが少なくとも6か月前の水準である2.3~2.4%に戻ることを示唆しています(チャート 3)。ただし、例えば米中貿易協議の破綻のような政治的緊張の高まりがあると、この動きは遅れる可能性があります(チャート 4)。 チャート 3長期金利はさらにリバウンドへ... 長期金利、さらに反発へ... 長期金利、さらに反発へ... チャート 4...しかし地政学的緊張は依然リスク ...しかし地政学的緊張は依然としてリスクである ...しかし地政学的緊張は依然としてリスクである これは、今後数四半期にわたり株式が債券をアウトパフォームし続ける可能性が高いことを意味し、我々は12か月の投資期間でグローバル株式をオーバーウェイト、グローバル債券をアンダーウェイトの立場を維持しています。ただし、この明るいシナリオに対するリスクは増しています。我々は第二次世界大戦以降、ほぼ18か月前にほぼすべての景気後退を的中させてきたイールドカーブの逆イールド化を依然として懸念しています(チャート 5)。3か月/10年のカーブは今年中頃に逆イールド化しました。また、製造業部門の弱さが消費者信頼感を損なうことを懸念しています。これは欧州と日本にいくつかの兆候がありますが、米国ではまだ顕著ではありません(チャート 6)。したがって先月、景気後退に対するヘッジとして我々はキャッシュをオーバーウェイトしました。リスク/リワードの観点から、債券よりもキャッシュをより魅力的なヘッジとみなしています。 チャート 5イールドカーブのメッセージを無視できますか? イールド・カーブからのメッセージを無視できますか? イールド・カーブからのメッセージを無視できますか? チャート 6消費者信頼感の弱さのいくつかの兆候 消費者信頼感の弱まりを示すいくつかの兆候 消費者信頼感の弱まりを示すいくつかの兆候     我々はまた、ベータが低く他地域の株式ほど構造的逆風が少ない米国株式を引き続きオーバーウェイトします。ただし、中国のより大胆な刺激策の恩恵を受けるであろう、より景気循環性の高い株式市場への参入ポイントを引き続き探しています。中国の金融緩和はこれまでの景気刺激局面に比べてなお慎重です。国内活動を安定化させるにはおそらく十分でした(チャート 7)が、2016年のように工業用コモディティ価格や新興市場資産、ユーロ圏株式のラリーを引き起こすほどではありません。グローバルPMIの上昇と中国の信用成長の強まりの兆候は、明らかに新興市場と欧州を助けるでしょう(チャート 8)が、我々が実際にそれらが起きているとより高い確信を持つまではその動きを取ることはしません。その間、欧州株がアウトパフォームし始めた場合に有利になるはずのため、我々は上振れリスクをヘッジする目的でグローバルの金融セクターを戦術的にオーバーウェイトに引き上げています。今年初めには、より積極的な中国刺激による上振れリスクをヘッジするためにインダストリアルズをオーバーウェイト、オーストラリア株式をニュートラルに引き上げました。 チャート 7中国の刺激は成長を単に安定化させただけ 中国の景気刺激策は成長を単に安定させただけに過ぎない 中国の景気刺激策は成長を単に安定させただけに過ぎない チャート 8欧州と新興市場は最も景気循環的な市場 欧州と新興市場は最も景気循環性の高い市場だ 欧州と新興市場は最も景気循環性の高い市場だ     チャート 9原油価格の急騰はしばしば景気後退に先行する 原油価格の急騰は景気後退に先行することが多い。 原油価格の急騰は景気後退に先行することが多い。 我々の楽観的なシナリオに対する最大の地政学的リスクは、サウジの石油精製施設への攻撃後の中東情勢です。過去50年のすべての景気後退は、原油価格の前年同月比100%の急騰に先行されてきました(ただし、この事態が現実となるにはブレントが年末までに現在の61ドルから100ドル超へ上昇する必要があります(チャート 9   チャート 10原油のリスクプレミアムは低すぎるのか? 四半期ポートフォリオ見通し:全方位のヘッジ 四半期ポートフォリオ見通し:全方位のヘッジ   ギャリー・エヴァンス、シニア・バイス・プレジデント チーフ・グローバル・アセット・アロケーション・ストラテジスト garry@bcaresearch.com     クライアントが尋ねていること 世界成長の反発のタイミングを図るために投資家はどの先行指標を注視すべきか? チャート 11世界成長に関するポジティブなシグナル ユーロ圏の製造業は底打ちに近いか? 世界経済の成長に対するポジティブなシグナル ユーロ圏の製造業は底打ちに近いか? 世界経済の成長に対するポジティブなシグナル 2019年の世界的な成長鈍化は、債券ラリーとディフェンシブ資産のアウトパフォーマンスの主要因でした。したがって、この下落がいつ反転するかのタイミングを見極めることは極めて重要です。反転はディフェンシブから景気循環性の資産へのリーダーシップの交代ももたらすからです。では、どのようにしてこれを行うか。以下に、過去に世界経済に関する信頼できる先行シグナルを提供してきた我々のお気に入りの指標を三つ挙げます。 キャリートレードのパフォーマンス:非常に高いキャリーを持つ新興国通貨の対円でのパフォーマンスは、世界成長の先行指標となる傾向があります(チャート 11, パネル1)。一般に、キャリートレードは資金が豊富だが利回りが低い国(日本のような)から、貯蓄不足でリスクは高いが見込み収益が高い国へ流動性を分配します。これらの通貨のポジティブなパフォーマンスは、世界的な流動性の改善を示す傾向があり、通常は世界成長を後押しします。 スウェーデンの在庫サイクル:スウェーデンの受注在庫比率は世界の製造業サイクルの先行指標です(パネル2)。なぜか。スウェーデンは小さな開放経済であり、世界成長のダイナミクスに非常に敏感です。さらに、スウェーデンの輸出は中間財に重心が置かれており、これはグローバルなサプライチェーンの早い段階に位置します。これによりスウェーデンの在庫サイクルは世界の製造業サイクルの良い早期のバロメーターとなります。 G3のマネタリートレンド:G3の実質的なマネーサプライ超過(マネーサプライ成長率と貸出成長率の差として測定)は、世界の工業生産の先行指標です(パネル3)。ベースマネーと預金が既存の貸出プールに対して銀行システム内でより豊富になると、商業銀行の流動性ポジションは改善します。これにより銀行はより多くの貸出成長を生み出す燃料を得られ、最終的に経済活動に追い風を提供します。 重要なのは、これらすべての先行指標が世界経済に対してポジティブなシグナルを送っていることです。これは、世界成長が強まるにつれて金利は上昇すべきだという我々の見解を裏付けます。したがって、投資家はポートフォリオで株式をオーバーウェイト、債券をアンダーウェイトのままにしておくべきです。   ユーロ圏の銀行を買う時期か? 2018年12月のユーロ圏の銀行に関するスペシャルレポートでは、「歴史的に、相対P/Bディスカウントが下限バンドに達し、相対配当利回りが上限バンドに達したとき、相対リターンの反発が期待できる」と指摘しました。1 当時の我々の推奨は「長期投資家はこの地域の銀行を避けるべきだが、より戦術的な権限を持ち、機動的なスタイルの投資家は評価指標を利用して銀行への出入りを短期トレードとして『タイミング』できる」というものでした。 それ以降、銀行は市場全体を10%以上アウトパフォームできずに引き続きアンダーパフォームし、相対的な評価指標をさらに押し下げました。現在、相対P/Bと相対配当利回りはともに、歴史的に少なくとも短期的な反発を予告してきた極端な水準にあります。 ユーロ圏のPMIはまだ50を下回っていますが、ユーロ圏経済が今年後半に持ち直す兆候があり、これは銀行の相対的な収益にとってポジティブになるはずです。すでに、フォワードの1株当たり利益(EPS)成長は幅広い市場に対して安定化しています(チャート 12、パネル4)。 さらに、2018年12月当時の主要な懸念材料の二つはイタリア政府債務と量的緩和(QE)の巻き戻しでした。現在、イタリア債務はもはや危機的な状況にはなく、ECBはQEを再開しています。 したがって、戦術的な権限を持ち機動的に運用できる投資家はユーロ圏の銀行を買う(オーバーウェイト)べきです。長期投資家は構造的な問題が残っているため、依然としてこのような短期トレードは避けるべきです。 チャート 12戦術的にユーロ圏の銀行をアップグレード 戦術的にユーロ圏の銀行を格上げ 戦術的にユーロ圏の銀行を格上げ  金相場の上昇は終わったのか? スポット金価格は年初来で17%上昇しており、その背景には世界的な成長鈍化、ハト派に傾いた中央銀行、そして高まる政治的緊張がある。投資家は今、金のエクスポージャーを削減すべきだろうか。常識的にはそうすべきだろう。しかし、今回は通常の時期ではない。 短期的には、テクニカル面での買われ過ぎと行き過ぎたポジティブなセンチメントのために一部利益確定が入り、金価格は下押しを受ける可能性がある(チャート13、パネル1)。さらに、今年の金価格の動きは中央銀行の緩和期待の高まりによるところが大きい(パネル2)。今後、市場は利下げが限定的にとどまることに失望する可能性があり、それが金の下落圧力となり得ると予想する。 他方で、現在世界の債務の約27%、すなわち14.9兆ドルがマイナス利回りであるため、投資家は次善の資産である利回りゼロの金へ引き続きシフトしていくだろう(パネル3)。中央銀行と投資家の双方によるここ数年の金保有増加(パネル4・5)からもこれが明らかである。投資家がマイナス利回りを回避し資本保全に重点を置く動きが続く限り、この傾向は持続すると見ている。 年初以来、地政学的緊張は強まっている:米中間の継続するが決定的でない貿易交渉、さらなる関税の実施、ブレグジットの不確実性、そして中東での最近の軍事攻撃(パネル6)。このような環境は金価格を押し上げ続けるはずだ。 我々は引き続き、今後12か月で加速すると見ているインフレに対するヘッジとして、また世界成長や地政学的状況のさらなる悪化に対するヘッジとして金を推奨する。 Chart 13Gold: Sell Or Hold? ゴールド:売却か保有か? ゴールド:売却か保有か? 楽観的シナリオへのリスクは高まっている。我々は依然として逆イールド曲線を懸念している。逆イールド曲線は第二次世界大戦以降のすべての景気後退を正確に予測してきた。 金利はどこまで下がり得るか? ゼロ下限は過去のものだ。先月、デンマーク中央銀行は金利を-0.75%に引き下げ、スイスの10年国債は主要国として歴史的最低水準の-1.12%に達した。次の景気後退において、理論上金利はさらにどこまで下落し得るだろうか? 個人にとって、紙幣の保管コストが現金金利の下限を制約する可能性がある。紙幣自体は利回りゼロだからだ(政府が現金を禁止する方法や年会費を課す方法を見出さない限り)。銀行の貸金庫は年間約300ドル、また100万ドルを保管するのに十分なプロ用金庫(100ドル札の山で31 x 55 cm、重さ約10kg)は設置費を含め約2,000ドルである。後者を10年で償却すれば、100万ドルの保管コストは年率約0.2%〜0.3%になる。スイスフラン紙幣(最高額面CHF1,000)は保管コストがより低くなるだろう。しかし、現物金の保管コストは年率約2%である。 金利がこれを下回っている場合、他の制約が存在するはずだ。個人が現金を保管することは危険であり、確実に非常に不便である(税金の支払いのために現金を銀行に運ばなければならないことを想像してみてほしい)。また、例えば10億ドル(重さ10トン)を保管する個人や企業のコストははるかに高くなるだろう。低金利国の歴史を踏まえると(チャート14、パネル1)、現金保有者が政府短期債の銀行預金の代替を模索し始める水準は概ね-1%前後だと我々は考えている。 Chart 14How Low Can They Go? どこまで下がるのか? どこまで下がるのか? Chart 15Yield Curves When Rates Are At Zero Or Below 金利がゼロ以下のときのイールドカーブ 金利がゼロ以下のときのイールドカーブ   長期側では、短期金利がゼロまたはマイナスのときにイールドカーブが大きく逆転することは通常ない(チャート15)。今年初めにスイスで観測された3か月/10年の最大逆イールドは-0.05%だった。 したがって、どこであれ10年債の絶対的な最低水準は、たとえ厳しい景気後退の只中であっても概ね-1.1%付近であろうという示唆になる。 これは資産配分担当者にとっての懸念材料だ。現在の水準(スイス-0.8%)からスイス国債が取り得る数学的最大上昇幅は3%であり、ドイツ国債(現-0.5%)では5%である。これはあまり有効なヘッジとは言えない。米国だけが相対的に有利に見える:10年物米国債利回りが0%に低下した場合、トータルリターンは18%になる。   世界経済 Chart 16U.S. Growth Remains Solid 米国の成長は堅調を維持 米国の成長は堅調を維持 概観:世界的に産業部門の成長は弱く、多くの国で製造業PMIが50を下回っている。しかし、消費とサービスはほぼすべての地域で持ち堪えており、製造業比重の高いユーロ圏でも例外ではない。製造業の底打ちの兆しが断続的に見られるが、本格的な回復は中国におけるさらなる金融緩和の規模に依存するだろう。中国当局は2016年に行ったほどの大規模な緩和を展開することには慎重な姿勢を崩していないようだ。 米国:米国の製造業は既に世界の他地域に続いて収縮局面に入っており、ISM製造業景況指数は8月に50を下回った(チャート16、パネル2)。しかし、消費とサービスは概ね好調を維持している。雇用は拡大を続けている(ただし昨年よりやや鈍いペースで、求職者不足が一因かもしれない)、解雇の増加は見られず、消費者信頼感は依然として歴史的高水準に近い(9月にわずかに低下した)。住宅は昨年の減速後に回復しており、最近の議会での予算合意により今後12か月は財政政策がやや拡張的になる見込みだ。設備投資(パネル5)のみが、貿易戦争を巡る不確実性のために企業が投資判断を先送りしている影響で鈍化している。コンセンサスは今年の米国実質GDP成長率を2.2%と見込んでおり、多くの潜在成長率の推定を上回っている。 ユーロ圏:製造業の比重が高いため、欧州の成長は米国より弱い。製造業PMIは2月以来50を下回り、8月にはさらに45.6に低下した。鉱工業生産は前年比で2%縮小している。イタリアは2四半期のマイナス成長を経験しており、ドイツも第3四半期にテクニカルリセッションに入る可能性がある(第2四半期はGDPが0.1%縮小した)。しかし、製造業の底打ちの兆候は断続的に見られる:例えば9月のZEW調査は上振れのサプライズとなった。また、米国同様に消費は強い。製造業比重の高いドイツでも雇用は増加を続け、7月の小売売上高は前年同月比で4.4%増だった。一方、英国ではブレグジットを巡る不確実性が企業の投資を損なっているが、雇用は堅調である。2 Chart 17First Signs Of A Rebound In The Rest Of The World? 世界のその他地域で反発の兆候が見え始めたか? 世界のその他地域で反発の兆候が見え始めたか? 日本:消費は既に低下しており、10月に予定された消費税率の引き上げ前でさえ落ち込んでいる。7月の小売売上高は前年比で2%減少し、賃金のマイナス成長と消費者センチメントの5年ぶりの低水準への低下が原因である。製造業は中国の減速と強い円(過去12か月で6%上昇)の影響を受け続けており、輸出は6%減、鉱工業生産は過去3か月で前年比2%減少している。消費税率引上げの影響は自動車税の軽減や高校教育の無償化といった政府の措置により緩和される可能性があるし、中国成長の回復が輸出を押し上げるだろう。しかし、活動の底打ちの兆候はまだ乏しい。 新興市場:中国の成長は安定化しているように見え、製造業・非製造業の両PMIが50を上回っている(チャート17、パネル3)。しかし、景況感は脆弱で、小売売上高の伸びは20年ぶりの低水準に鈍化し、自動車販売は8月に7%減少した。これは新排出基準適合車の導入にもかかわらずである。当局は追加の緩和策(9月の預金準備率の追加引き下げを含む)で対応したが、2016年のような本格的な金融刺激を再度実施することには消極的なようだ。他の新興国では、構造的な問題を抱える国で成長が鈍化している(アルゼンチンの最新の前年比実質GDP成長率は-5.7%、トルコは-1.5%、メキシコは-0.8%)が、他方で比較的堅調なのはインド5%、インドネシア5%、ポーランド4.2%、コロンビア3.4%である。 金利:ほぼすべての中央銀行がハト派に転じており、FRBは2回目の利下げを行い、ECBは資産買入れを再開し、日銀は10月に緩和を示唆した。しかし、さらなる金融緩和は市場の期待よりも小幅にとどまる可能性が高い。FRBは今回の利下げを中間的な修正に過ぎないと示し、追加緩和は考えにくいと示唆した。ECBと日銀には利用可能な手段がほとんど残っていない。成長の底打ちの兆しと、中央銀行のハト派転換が終盤に差し掛かっているという市場の理解を踏まえ、既に米国で1.45%から9月に1.72%へと上昇している長期金利はさらに上昇する可能性が高い。投資家はまた、米国のインフレに注意深く注視すべきである。基調の強さを示す兆候があり、コアCPIは8月に前年比2.4%上昇している(過去3か月の年率換算では最大3.4%に達する)。   世界株式 Chart 18Has Earnings Growth Bottomed? 利益の伸びは底を打ったか? 利益の伸びは底を打ったか? 依然として慎重だが、上方リスクに対するヘッジを追加:地政学的リスクや弱まる経済指標といったヘッドラインリスクにもかかわらず、グローバル株式は第3四半期に8ベーシスポイントの小幅な損失にとどまった(チャート18)。総じて、我々のディフェンシブな国別配分は第3四半期によく機能した。先進国(DM)株式は新興国(EM)を4.5%上回り、米国はユーロ圏を2.8%上回った。 ただしセクター配分は期待通りにはいかなかった。ユーティリティーと生活必需品のアンダーウェイト、および資本財、エネルギー、ヘルスケアのオーバーウェイトがすべて逆方向に動いたためである。とはいえマテリアルのアンダーウェイトが損失の一部を相殺するのに寄与した。 四半期の間、債券利回りの大きな変動に合わせて、グローバル株式の世界ではセクターおよび国別のローテーションが明確に見られた。9月には先進国/新興国、米国/ユーロ圏、景気循環株/ディフェンシブ株で一部の反転が確認された。 今後について、BCAのハウスビューは世界経済成長がここ数か月のうちに回復し始めるという見方を維持しているが、以前に予想したよりやや遅れると予想している。したがって、我々のディフェンシブな国別配分は依然として適切だ。4月にユーロ圏と新興国株をアップグレード監視リストに入れたが、世界的な回復の遅れはまだその判断を発動する時ではないことを示している。3 我々は債券利回りが底を打ったとの見方を持っているため4、グローバルのセクター配分で1つ調整を行い、金融セクターをニュートラルからオーバーウェイトへ格上げする。資金はヘルスケアのダブルオーバーウェイトを半分にしてオーバーウェイトに削減することで賄う(詳細は次ページ参照)。この調整は、1) ユーロ圏が米国をアウトパフォームする場合、2) 今後の米国大統領選でエリザベス・ウォーレンが勝利する場合、という二つの可能性に対するヘッジにもなる。5  グローバル金融株をニュートラルからオーバーウェイトへ格上げ Chart 19Upgrade Global Financials グローバル・ファイナンシャルズをアップグレード グローバル・ファイナンシャルズをアップグレード グローバルの金融株の総株式市場に対する相対パフォーマンスは、グローバル債券利回りの動きに大きく影響を受けてきた(Chart 19、パネル1)。9月に債券利回りが急反転したのに伴い、金融株の相対パフォーマンスも反転した。ただし、近年にわたり金融株が幅広い市場に対して大きくアンダーパフォームしてきたことから、チャート上ではほとんど見えない。 債券利回りの急反転がどの程度持続するかは明確ではないが、BCAのハウスビューでは今後9~12か月で債券利回りは上昇すると見ている。したがって、以下の追加的な理由により金融株をニュートラルからオーバーウェイトへ格上げする。 バリュエーションはパネル2に示されているように非常に魅力的である。さらに重要なのは、相対バリュエーションが現在、歴史的に金融株の相対パフォーマンスの反発を予告してきた極端な水準にあることである。 ローンの質が改善している。米国の不良債権(NPL)比率は世界金融危機(GFC)前に達した底に近づいている。スペインやイタリアにおいてもNPL比率は大幅に低下しているが、GFC前の水準よりは依然高いままである(パネル3)。 米国の消費は堅調で、住宅は回復し、ローン需要は強まっている(パネル4)。シティ・エコノミック・サプライズ・インデックスなどのデータと一致しており、経済指標が底入れした可能性を示唆している。 この格上げを資金繰りするため、ヘルスケアのダブル・オーバーウェイトをオーバーウェイトに引き下げた。これは、来年の米大統領選でエリザベス・ウォーレンが勝利し医薬品価格規制を厳格化するリスクへのヘッジである。 国債 デュレーションはややアンダーウェイトを維持。 第3四半期の最初の2か月間、我々のベンチマーク比デュレーション縮小の判断はグローバル債券市場によって大きく試された。米国の10年物国債利回りは9月3日に1.43%を付けたが、これは米国のISM製造業指数が予想を下回ったことを受けたもので、前四半期末の水準より57ベーシスポイント低く、2016年7月6日に記録した歴史的低水準1.32%をわずかに上回る水準だった。ただし、9月5日以降の債券利回りの反発は、米中貿易政策の起伏だけでなく、Chart 20に示される通り経済指標のサプライズがポジティブだったことにも牽引されている。 BCAのグローバル・デュレーション・インジケーターは、当社のグローバル・フィクスト・インカム・ストラテジーチームが複数の先行経済指標を用いて構築したもので、今後世界的に利回り上昇を示唆している。投資家は今後9~12か月間、デュレーションをややアンダーウェイトで維持すべきである。 名目債よりインフレ連動債を優先。 グローバルのインフレ期待も、四半期の最初の2か月間に続いた下降トレンドの後に反発している。これは主に8月にコアCPI、コアPCE、平均時給といった実現インフレ指標が加速したことを反映している。加えて、歴史的に原油価格の変化はインフレ期待と良好な相関を持つ傾向がある。サウジアラビアの石油生産施設への攻撃を受けて原油価格は一時20%急騰した。中東の地政学的緊張がどのように進展するかは不透明だが、サウジ側が主張するように失われた生産の70%を復旧できると仮定すると、OPECの余剰生産能力(日量約180万バレル)が市場の均衡を保ち、残る失われた生産をカバーできるはずである。年末まで原油価格が横ばいで推移するという保守的な前提でも、インフレ期待ははるかに高まる方向にあり、これが名目債よりインフレ連動債を支持する根拠となる。日本およびオーストラリアにおいても、それぞれの名目債よりインフレ連動債を好む(Chart 21)。 Chart 20Bond Yields Have Hit Bottom 債券利回りは底を打った 債券利回りは底を打った Chart 21Favor Inflation Linkers リンク債を選好 リンク債を選好 より大胆な中国の景気刺激が実現した場合に恩恵を受ける、景気循環性の高い市場への参入機会を引き続き探している。 社債 我々がフィクスト・インカム・ポートフォリオ内で景気循環的にクレジットをオーバーウェイトに転じて以来、投資適格社債とハイイールド債は、それぞれデュレーションを合わせた国債に対して220および73ベーシスポイントの超過リターンを生み出している。 我々は今後12か月のクレジット見通しに対して引き続き強気である。年末までにグローバル成長が加速すると予想しているからである。歴史的に見ると、グローバル成長の改善はクレジットが国債に対して持続的にアウトパフォームすることをもたらしてきた。さらに、貸出基準が緩和を続けていることを踏まえれば、デフォルト率は今後1年にわたり抑制されると見られる(Chart 22、パネル1)。 どのくらいの期間クレジットをオーバーウェイトにするのか。米国企業債市場における高いレバレッジ水準、利息支払能力(interest coverage ratio)の低下、およびBaa格付け債の比率の高さは、構造的にクレジットをリスクの高い選択肢にしている。しかし、インフレ期待が依然として非常に低いため、FRBは金融政策を緩和的に保つインセンティブが強い。このハト派的な金融政策は金利コストを抑え、クレジットが今後1年でアウトパフォームするのを助けるだろう。 とはいえ、魅力的なクレジットのカテゴリーには差があると我々は考えている。具体的には、Baa格付けとハイイールド証券を優先することを推奨する。これらのクレジット・バケットにはさらなるスプレッド圧縮の余地が残されているためである(パネル2およびパネル3)。一方で、最上位の信用カテゴリーはもはやバリューを提供していないため避けるべきである(パネル4)。 Chart 22Baa-rated And High-Yield Credit Offer The Most Value Baa格付けおよびハイイールド・クレジットは最も高い価値を提供する Baa格付けおよびハイイールド・クレジットは最も高い価値を提供する   コモディティ Chart 23No Supply Shock In The Oil Market 四半期ポートフォリオ見通し:全方位でのヘッジ 四半期ポートフォリオ見通し:全方位でのヘッジ エネルギー(オーバーウェイト):9月のドローン攻撃はサウジの原油施設に対する供給懸念を引き起こし、攻撃直後の数日間で原油価格は最大で約20%上昇したが、その後攻撃前の水準まで下落した。初期の推計では供給障害は日量約570万バレル、つまり世界供給量の約5.5%に相当し、史上最大の原油供給停止となった。ただし、サウジが主張するように失われた生産の70%を復旧できると仮定すれば、OPECの予備能力である日量約180万バレルが市場を均衡させ、残る失われた生産をカバーできるはずである。より長期的には、経済成長の回復に伴う世界的な原油需要の伸びと供給の緊張が原油価格を押し上げる見込みで、ブレントは今年70ドルに達し、2020年は平均74ドルになると予想される(Chart 23、パネル1およびパネル2)。 工業用金属(ニュートラル):年初来の中国当局による消極的な刺激策と2019年第2四半期・第3四半期の米ドル高が工業用金属のスポット価格を押し下げてきた。しかし、中国政府は9月に追加の刺激策を発表し、インフラ事業の資金調達のためのさらなる債券発行や金融緩和を行うと表明した(パネル3)。これにより、今後6~12か月で工業用金属価格に上振れ余地が出るはずである。 貴金属(ニュートラル):年初来の力強いパフォーマンスを踏まえつつも、我々は金に対して依然としてポジティブである。金は景気後退、インフレ、地政学リスクに対する優れたヘッジと見なせるからである。金については第9ページのクライアントからの質問セクションで詳述している。銀も短期的には魅力的に見える。過去20年で銀の利用用途の性質は変化し、主に工業用素材としての側面から、安全資産としての貴金属的側面が強まっている。金と銀の価格の相関は世界金融危機前の平均0.5から危機後は0.8へと上昇している(パネル4およびパネル5)。グローバル成長と政治的不確実性が今後数か月で銀価格を支えるだろう。 通貨 米ドル:4月にニュートラルに転じて以来、貿易加重ドルは2.5%上昇している。利回りの急落は金融条件を緩和し、年末の第4四半期に世界成長を下支えする公算が大きい。米ドルは逆景気循環的な通貨であるため、世界的な成長の回復局面は歴史的にドルにとってネガティブであった。 ユーロ:4月に強気に転じて以来、EUR/USDは2.7%の下落となっている。全体として、我々は景気循環的な時間軸においてEUR/USDに対して引き続きポジティブである。ECBが金利を10ベーシスポイント引き下げ、追加の量的緩和を発表した後、ユーロ圏が米国に対してさらに緩和を続ける余地はあまり残っていない(Chart 24、パネル1)。加えて、ユーロ圏の利益成長見通しが米国に比べて改善することが期待されれば、資金フローは欧州へ向かい、それがEUR/USDを押し上げるだろう(パネル2)。 新興国通貨:当面の間、新興国通貨に対しては弱気の見方を維持する。ただし、年末に向けては格上げ監視中である。世界成長が反転しつつある兆候が複数みられ、これは歴史的に記録的に低い債券利回りがもたらす緩和的な金融環境の結果である。さらに、新興国成長の主要エンジンである中国における限界的な消費傾向(M1成長率とM2成長率の差で代理される)は、新興国通貨のさらなる上昇を示唆し続けている(パネル3)。 Chart 24Interest Rate And Profit Expectation Differentials Favor The Euro ユーロはまもなく急騰するかもしれない。金利と利益期待の差がユーロに有利だ。 ユーロはまもなく急騰するかもしれない。金利と利益期待の差がユーロに有利だ。     オルタナティブ Chart 25Favor Hedge Funds Untill Global Growth Bottoms グローバル成長が底打ちするまでヘッジファンドを推奨 グローバル成長が底打ちするまでヘッジファンドを推奨 リターン増強策:過去12か月にわたり、我々は投資家に対してプライベート・エクイティの配分を減らし、ヘッジファンド、特にマクロ・ヘッジファンドへの配分を増やすことを推奨してきた。これは、我々の判断として景気サイクルが後期にあるためである。成長が今後数か月で回復すると期待しているが、現時点のデータではまだ明確ではない(Chart 25、パネル1)。この不確実なマクロ環境は、特にマルチプルの上昇と買収競争の激化という環境下でプライベート・エクイティにとって厳しいものとなるだろう。グローバル・マクロ・ヘッジファンドは次の景気後退に先立つ最良のヘッジであると引き続き見ており、非流動性資産への配分を変更するには時間がかかるため、投資家には今のうちに資金を配分することを勧める。 インフレ・ヘッジ:現状では、TIPSは非流動性のオルタナティブ資産よりも優れたインフレ・ヘッジである可能性が高い。2019年5月のスペシャルレポート8は、インフレが上昇しているが依然として比較的低い(2.3%未満)局面では、TIPSが特に魅力的なリスク調整後リターンを生み出すことを示している。したがって、FRBがハト派を維持し、金利をもう一度引き下げるかもしれない一方でインフレの中程度の加速を容認するという我々の見通しの下では、TIPSは今後数か月の環境で良好に推移するはずである(パネル2)。 ボラティリティ抑制策:ストラクチャード・プロダクツ、主にモーゲージ担保証券(MBS)は、ポートフォリオのボラティリティを低減する点で優れた実績を持っている(パネル3)。それにもかかわらず、現在の評価は必ずしも魅力的ではないため、MBSへの配分はニュートラルを超えて推奨しない。今シーズンは長期金利が100ベーシスポイント以上低下し、借り換え活動が活発化しているにもかかわらず、名目ベースのMBSスプレッドは史上最低水準付近にとどまっている。ただし、国債利回りが底打ちするにつれて借り換えは減速し、スプレッドに下押し圧力がかかると予想している。当社見解に対するリスク 最も起こり得る上方リスクは、FRB(米連邦準備制度理事会)が過度にハト派になり、対応が遅れることである。米国の基調的なインフレ圧力は依然として強い(コア消費者物価指数は過去3か月で年率換算3.4%上昇)。2回の利下げ後、フェデラルファンド金利は現在中立金利を大きく下回っている:実質で0.1%、Laubach‑Williamsのr*は0.8%に対してである(チャート26)。マネー・マーケットのタイトさからFRBは再びバランスシートの拡大を開始している。来年に製造業の成長が加速し、賃金と利益が上昇し始めれば、1999年のような株式市場のメルトアップが起こり得る。しかし最終的には、インフレを抑えるためにFRBは利上げ(場合によっては急激な利上げ)を行う必要があり、それが次の景気後退を招く可能性がある。 下方リスクの範囲はより広い。 本四半期報告全体で論じた通り、景気後退の引き金になり得る要因は様々ある:特に中国が景気刺激に失敗することや、消費者の信頼の喪失などである。一部の景気後退モデルは今後12か月のリスクを最大30%と見積もっている(チャート27)。構造的に見て、最大のリスクはおそらく米国における企業債務の高水準である(チャート28)。昨年12月に短期間観測されたようなジャンク債市場の崩壊は、今後18か月で満期を迎える大量の債務を企業が借り換えできなくなる事態を招く可能性がある。 地政学的リスクも依然として高止まりしており、その性質上予測が困難である。ブレグジットの帰結は依然として非常に不確実であるが、合意なき離脱のリスクは低いと見ている。米中の貿易協議は包括的な合意なく長期化すると予想しており、明確な決裂はネガティブである。トランプ大統領の弾劾はおそらく市場にとって重大な出来事ではないが、市場心理を一時的に悪化させる可能性がある(特にそれがエリザベス・ウォーレンの当選可能性を高める場合)。イランとサウジ間の紛争がエスカレートする可能性もある。これらの脅威を織り込むためにリスクプレミアムは上昇する必要があるかもしれない。 チャート26FRBは過度にハト派になっているのか? 米FRBはハト派に傾きすぎているのか? 米FRBはハト派に傾きすぎているのか? チャート27景気後退のリスクはどの程度か? 景気後退のリスクは? 景気後退のリスクは? チャート28企業債務が最大のリスクか? 企業債務は最大のリスクか? 企業債務は最大のリスクか?   脚注 1詳細はグローバル・アセット・アロケーション・スペシャル・レポート、「ユーロ圏の銀行:バリュー・プレイかバリュー・トラップか?」2018年12月14日付、gaa.bcaresearch.comで入手可能。 2詳細はフォーリン・エクスチェンジ・ストラテジー・スペシャル・レポート、「英国:循環的減速か構造的停滞か?」2019年9月20日付、fes.bcaresearch.comで入手可能。 3詳細はグローバル・アセット・アロケーション・クォータリー、「クォータリー - 2019年4月」2019年4月1日付、gaa.bcaresearch.comで入手可能。 4詳細はグローバル・インベストメント・ストラテジー・ウィークリー・レポート、「債券利回りは底を打った,」2019年9月6日付、gis.bcaresearch.comで入手可能。 5詳細はグローバル・インベストメント・ストラテジー・ウィークリー・レポート、「エリザベス・ウォーレンと市場,」2019年9月13日付、gis.bcaresearch.comで入手可能。 6Dmitry Zhdannikov and Alex Lawler “独占:サウジの石油生産、当初予想より速く回復へ-関係筋,” ロイター、2019年9月17日付。 7詳細はジオポリティカル・ストラテジー・スペシャル・アラート、「サウジの重要インフラへの攻撃は米国の対応に疑問を投げかける」2019年9月16日付、gps.bcaresearch.comで入手可能。 8詳細はグローバル・アセット・アロケーション・スペシャル・レポート、「インフレ・ヘッジのための投資家ガイド:インフレ上昇時の投資方法」2019年5月22日付、gaa.bcaresearch.comで入手可能。 GAA アセット・アロケーション
ハイライト 世界は依然として製造業不況に沈んでいる。 したがって、新規の景気循環追随型ストラテジーを仕掛けるにはまだ時期尚早だ。 米ドルの単独賭けよりもクロス通貨に注目する。 新しいトレード案2件:EUR/NOKを売り、GBP/JPYを買う。また金/銀比率の売りも検討する。 特集 通貨市場は様々なレジームを行き来する傾向がある。つまり、有効なFXマネージャーでいるためには極めて柔軟である必要がある。例えば、ある期間は金利差が為替変動を支配し、中央銀行の監視役に仕事がシフトするかもしれない。別の時期にはフローが支配的になり、特定市場で破壊的技術が開発されたときのように株式フローさえも影響を及ぼすことがある。米株式、特にテクノロジー株のアウトパフォーマンスはその一例だ。国際収支の動向は通常、重要な転換点で主に影響を及ぼすため、タイミング指標としてはあまり有用でないことが多い。2週間前に論じた米ドルの莫大な特権も同様の例である。しかし多くの場合、投資環境がより敵対的になるかどうかを特定できるか否かが、成功するFXマネージャーか化石化するかの明暗を分ける重要な差になる可能性がある。 ここ数日は投資家が消化すべきニュースに事欠かなかった。ブレグジットの混乱、FRB、サウジでのドローン攻撃、そしてトランプ米大統領の弾劾の可能性に至るまで。ただ最も困惑させられ(そしておそらく最も重要)たのは、ドイツの製造業フラッシュPMIが9月に41.4と、過去10年以上で最低水準だったことだ(チャート I-1)。「最も安い通貨」を抱える国が製造業不況から抜け出せないのであれば、周辺国に対して差し迫った問題があるという明確なメッセージになる。要するに、ユーロが底に近いという我々の見立ては、直近の製造業データのリリースに基づくと数か月ほど早計だった可能性がある(チャート I-2)。 チャート I-1 ユーロ圏の製造業不況 ユーロ圏製造業の景気後退 ユーロ圏製造業の景気後退 チャート I-2 ユーロはより強い成長を必要としている ユーロはより強い成長を必要としている ユーロはより強い成長を必要としている どのFXレジームか? チャート I-3 リセッションはドル高を促す いくつかのトレード・アイデア いくつかのトレード・アイデア 10月2日にイールドカーブが逆転して以降のドルの動きは示唆に富む。現時点では2005年と1998年の両方のロードマップに沿っており、リスク資産に対する慎重な楽観の窓はまだ成立する可能性がある(チャート I-3)。具体的には、ドルはリセッション時に上昇する傾向があるが、ドルのブルマーケットが本格化する前のウィンドウはかなり長くなり得る。2006年と1998年の両方で最終的にドルは大幅上昇したが、いずれも12か月以上かかった。したがって、景気後退確率のタイミングモデルはストラテジーにとって極めて重要である。 歴史的に、国内のフローは非常にタイムリーな指標であった。というのも、深刻な資本流出の局面では居住者による資金還流が生じるからだ。2005年には国内の個人が米国外に資金を配分しており、ドル強化にポジションをとるには忍耐が必要であることを示唆していた。これは理にかなっていた。なぜなら当時は新興国・コモディティ(コモディティ)相場が全盛で、資本収益率が米国以外で高かったからだ。多くの場合、FX市場は最も高い資本収益を得られる地域を好む傾向がある。これらは逆張りが最も難しく、転換点では最も危険な盲点となり得る。 もし内因的な要因で経済指標がさらに悪化し続けるなら、防御的なストラテジーが明らかに適切だろう。判断の一つの方法は、我々の先行指標と実際の基礎データ(現時点で9月に発生しているような)との乖離が顕在化するかを確認することだ。逆に、ポジティブなニュースの影が差すだけで、減速の影響を最も受けているセクター、通貨、国に火がつく可能性もある。どちらも非常にリスキーな賭けだ。現時点では、米ドル単独の賭けよりもクロス通貨に注力するのを好む。 EUR/NOKを売る 時に、最良のアイデアは最も単純なものだ。ノルゲス銀行はG-10で最もタカ派的な中央銀行であり、欧州中央銀行は直近会合で量的緩和を再開した。これはEUR/NOKのショートにとって強力な触媒となる: リセッション時にはドルが上昇する傾向があるが、ドルのブルマーケットが本格化する前のウィンドウはかなり長くなり得る。 ユーロ圏の減速は製造業に集中しているが、デフレ圧力は経済の他の部分にも広がり始めている。ユーロ圏の総合コアCPIは下落を続けており、これは歴史的にユーロにとって悪い前兆である(チャート I-4)。我々は原油価格の回復に一部助けられ、ユーロ圏のインフレ期待は最終的に上昇すると予想している(チャート I-5)。ただし、これはノルウェークローネにも利益をもたらすだろう。 EUR/NOKは歴史的に欧州とノルウェーの相対的な株価のパフォーマンスを反映してきたが、2018年に大きな乖離が生じた(チャート I-6)。この乖離は持続不可能である。要するに、ノルウェーの油田対欧州の銀行という賭けだ。 欧州中央銀行の準備預金の階層化はユーロ圏銀行が崖っぷちに立つのを防ぐかもしれないが、製造業不況が早期に終わらず企業が投資のために借り始めない限り、銀行は需要の問題を抱え続けるだろう。一方で中東の緊張の高まりは短期的に原油価格を支える見込みであり、これはノルウェー株をユーロ圏株より有利にし、EUR/NOKにとってはマイナスとなる(チャート I-7)。 10年物独国債利回りは-0.57%で推移する一方、ノルウェー債の利回り上乗せは流動性懸念があるにもかかわらず約1.8%のポジティブキャリーとなっている。直近の政策会合で、ノルゲス銀行総裁オイステイン・オルセンは、不況時にノルウェーにはより大きな財政の裁量があると強調しており、ノルウェー発行の国債供給が増える可能性があり、これが流動性プレミアムを緩和するだろう。 チャート I-4 ユーロ圏ではデフレが依然優勢 ユーロ圏ではデフレが依然として支配的である ユーロ圏ではデフレが依然として支配的である チャート I-5 原油価格上昇はインフレ期待を支える 原油価格の上昇はインフレ期待を後押しする 原油価格の上昇はインフレ期待を後押しする チャート I-6 株式と通貨:持続不可能な乖離 株式と通貨:持続不可能な乖離 株式と通貨:持続不可能な乖離 チャート I-7 原油高はEUR/NOKにマイナス 原油高はEUR/NOKにとってネガティブ 原油高はEUR/NOKにとってネガティブ 結論: EUR/NOKを9.937で売る。 GBP/JPYを買う 先週のスペシャルレポートは、構造的な逆風が残るものの英国の循環的な回復を論じていた。今週、我々は再びポンド/円の買いを試みる: 最も重要なのは、イングランド銀行が直近の政策会合で据え置きを決めた一方で、日本銀行は追加緩和やより強いガイダンスを導入する可能性が高いという点だ。 実質金利差はより強いポンドを支持している。特に、イングランド銀行は直近会合で据え置きを決めたのに対し、日本銀行は追加緩和やより強いガイダンスを導入する可能性が高い(チャート i-8)。 チャート i-8 GBP/JPYの戦術的な反発が予想される GBP/JPYの戦術的な反発が見込まれる GBP/JPYの戦術的な反発が見込まれる チャート I-9 弱いポンドのメリット ポンド安の恩恵 ポンド安の恩恵 投機筋はポンドを大幅に売り越している一方、投資環境が不確実になるにつれて円のショートを解消してきた。 ポンド安は対日本で英国の国際収支の動向を改善し始めるはずだ(チャート I-9)。 結論:GBP/JPYを132.6で買う。 締めの考察 我々は金利差、国際収支の動向、バリュエーション、ポートフォリオフロー、ポジショニングといったドルに関する様々な指標を引き続きフォローしているが、現時点ではいずれも強気のシグナルを発していない。世界経済の成長は依然低迷しており、これがドル高を加速させている。しかし、グローバル成長が安定化すればドルのロング賭けは脆弱だ。我々のストラテジーは、世界成長が底打ちしたという断定的な証拠が出るまではクロス通貨に注力し続けることだ。 トレーディングポートフォリオでは、引き続きノルウェークローネ(NOK)、スウェーデンクローナ(SEK)、ペトロ通貨、豪ドル(AUD)を好んでいる。これらのトレードは現時点ではクロスで実行しており、我々のドル見解が外れた場合の下振れリスクを限定している。世界成長が底打ちし、リセッションに突入する前にアウトライトのドル賭けを開始する意図でいる。   チェスター・ントニフォー, 外国為替ストラテジスト chestern@bcaresearch.com 通貨 米ドル チャート II-1 米ドル・テクニカル 1 米ドルのテクニカル分析 1 米ドルのテクニカル分析 1 チャート II-2 米ドル・テクニカル 2 USDのテクニカル分析 2 USDのテクニカル分析 2 米国の最近のデータは比較的堅調だ: Markitの速報製造業PMIは9月に50.3から51へ回復した。速報サービスPMIは50.9に上昇した。 シカゴ連銀のナショナル・アクティビティ・インデックスは8月の-0.4から0.1に上昇した。 リッチモンド連銀の製造業指数は9月に1から-9へ低下した。 コンファレンスボードの消費者信頼感は9月に135.1から125.1に低下した。 住宅関連では、7月の住宅価格は前月比で0.4%上昇した。9月20日までの週のモーゲージ申請は10%減少したが、8月の新築住宅販売は前月比で7%増加した。 新規失業保険申請件数は9月20日までの週で213,000件に増加した。 年率換算のGDP成長率は第2四半期で前期比2%と変わらずだった。 財の貿易赤字は少し変化しておらず728億ドルだった。 第2四半期の総合・コアPCEはそれぞれ前期比で2.4%と1.9%に上昇した。 DXY指数は今週0.6%上昇した。米国の最近のデータは他の国と比べて持ち堪えている。米ドルに対するネット投機ポジションは米国の相対的な強さにより高水準にある。短期的にはドルのレジリエンスを見ているが、海外による米国証券のネット買いの減少、金利差の縮小、そして債券対金の比率の急落はいずれもドルの下押しリスクを示唆している。 レポートリンク: 暴動時の資本保全 - 2019年9月6日 通貨環境は変化したか? - 2019年8月16日 USD/CNY と市場の混乱 - 2019年8月9日 ユーロ チャート II-3 ユーロのテクニカル 1 EUR テクニカル分析 1 EUR テクニカル分析 1 チャート II-4 ユーロのテクニカル 2 EUR テクニカル 2 EUR テクニカル 2 ユーロ圏の最近のデータは引き続き悪化している: ユーロ圏のMarkit速報製造業・サービスPMIは9月にそれぞれ45.6と52に低下した。 フランスの速報製造業PMIは50.3に低下、サービスPMIは51.6に下落。ドイツの製造業PMIは41.4に急落、サービスPMIは52.5に低下した。 ドイツのIFO現状判断は9月に98.5に上昇したが、IFO期待指数は90.8に低下した。 マネーサプライ(M3)は8月に前年比5.7%増加した。 ドイツのGfK消費者信頼感は10月に9.9へとわずかに上昇した。 EUR/USDは今週0.8%下落した。ユーロ圏からの最近のデータは残念ながら世界成長の底打ちを示していない。ドイツの製造業PMIは金融危機以来の最低水準にある。投資家が懸念する大きな点は、製造業の弱さがすでにサービス部門に波及し始めているかもしれないことだ。とはいえ、主要国のサービスPMIは低下しているものの、依然として50を上回る拡張領域にある。 レポートリンク: 中央銀行の攻防 - 2019年6月21日 EUR/USDと中立金利 - 2019年6月14日 保険をかけるべき時 - 2019年5月3日 日本円 チャート II-5 円のテクニカル 1 JPY テクニカル分析 1 JPY テクニカル分析 1 チャート II-6 円のテクニカル 2 JPY テクニカル分析 2 JPY テクニカル分析 2 日本の最近のデータはネガティブだ: 全国の総合消費者物価(ヘッドライン)は前年比0.5%から0.3%へ低下した。コアインフレは前年比0.6%で変わらずだった。 Markitの速報製造業PMIは9月に49.3から48.9に低下。サービスPMIも53.3から52.8に下落した。 先行指数と一致指数はいずれも7月で93.7と99.7とほぼ横ばいだった。 USD/JPYは今週横ばいだった。日本の輸出は世界的な貿易戦争と製造業の減速の影響で弱い。とはいえ、日本銀行によれば内需は堅調で、設備投資も増加を続けている。加えて来月の消費税引き上げは過去の増税と比較して影響は限られる可能性が高い。今週の演説で黒田東彦総裁は、経済の勢いが失われれば躊躇なく追加緩和を行うと強調した。 レポートリンク: 通貨環境は変化したか? - 2019年8月16日 薄商いの夏にもポートフォリオ調整 - 2019年7月5日 中央銀行の攻防 - 2019年6月21日 英ポンド チャート II-7 ポンドのテクニカル 1 GBPのテクニカル1 GBPのテクニカル1 チャート II-8 ポンドのテクニカル 2 GBP テクニカル指標 2 GBP テクニカル指標 2 今週の英国のデータはほとんどない: 住宅ローン承認件数は8月に43,303件から42,576件へやや減少した。 GBP/USDは今週1.4%下落した。英国のボリス・ジョンソン首相は、いわゆる反党者の離党によりウェストミンスターで過半数を失い、年末までに再選挙の可能性が高まった。加えてブレグジットのさらなる延期もほぼ確実だ。我々は合意なき離脱の確率を引き下げた。ポンドにはポジティブな見方を維持しており、今週はGBP/JPYを買っている。 レポートリンク: 英国:循環的な減速か構造的な病巣か? - 2019年9月20日 中央銀行の攻防 - 2019年6月21日 豪ドルに関する逆張りの見解 - 2019年5月24日 豪ドル チャート II-9 AUDのテクニカル 1 AUDのテクニカル分析 1 AUDのテクニカル分析 1 チャート II-10 AUDのテクニカル 2 AUD テクニカル 2 AUD テクニカル 2 オーストラリアの最近のデータは混在している: コモンウェルスの速報製造業PMIは8月の50.9から9月に49.4へ低下した。一方、サービスPMIは49.1から52.5へ反発し、再び50を上回る拡張圏に戻った。 消費者信頼感は今週109.3から110.1に上昇した。 AUD/USDは今週1%下落した。オーストラリア準備銀行(RBA)総裁フィリップ・ロウは火曜日にオーストラリア経済が回復しつつあり「穏やかな転換点」にあると述べた。これまでの利下げはシドニーやメルボルンのような大都市の不動産市場に一定の回復をもたらしているが、経済全体へ波及するには時間がかかる見込みだ。金融政策面では、ロウ総裁は必要に応じて金融緩和を行う姿勢を改めて示したが、直近での即時利下げを示唆するものではなかった。オーストラリアは小さく開かれた経済としてグローバルな変動に対するベータが大きい。世界的な製造業不況が終われば、やがてポジティブなファンダメンタルズが年末から2020年にかけてオーストラリア経済を押し上げ続けるだろう。 レポートリンク: 豪ドルに関する逆張りの見解 - 2019年5月24日 限界効用の逓減に注意 - 2019年4月19日 まだ危機を脱したわけではない - 2019年4月5日 ニュージーランドドル チャート II-11 NZDのテクニカル 1 NZD テクニカル 1 NZD テクニカル 1 チャート II-12 NZDのテクニカル 2 NZD テクニカル 2 NZD テクニカル 2 ニュージーランドの最近のデータはネガティブだ: 8月の輸入は3000万NZドル増の56.9億NZドル、輸出は8.3億NZドル減の41.3億NZドルとなり、貿易赤字は7億NZドルから15.7億NZドルへ拡大した。 NZD/USDは当初1%上昇したが、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)の金融政策会合後に急落し、今週は横ばいで推移した。予想通りRBNZは公式割引率を1%に据え置いたが、世界的な減速を受けて必要なら追加緩和の余地があると示唆した。市場は11月の次回会合での利下げ確率を現在80%と価格付けており、これは弱い事業者信頼感を反映している。我々はキウイの弱さを豪ドルとスウェーデンクローナ経由で取っており、これらはそれぞれ約1.9%と1.95%の含み益となっている。 レポートリンク: USD/CNY と市場の混乱 - 2019年8月9日 米ドルは次はどこへ? - 2019年6月7日 まだ危機を脱したわけではない - 2019年4月5日 カナダドル チャート II-13 CADのテクニカル 1 CADのテクニカル 1 CADのテクニカル 1 チャート II-14 CADのテクニカル 2 CAD テクニカル 2 CAD テクニカル 2 カナダの最近のデータは堅調だ: Bloomberg Nanosの消費者信頼感は今週56.7から57.4に上昇した。 小売売上高は7月に前月比0.4%増加し、市場予想の月次0.6%増は下回った。 USD/CADは今週横ばいだった。原油価格は今年激しく変動している。2週間前のドローン攻撃以降、サウジは想定より早く回復していると主張しており、自国目標を上回っている。ブレント原油スポット価格は9月16日のピークから6%下落し、Western Canada Select(WCS)は12.3%下落し、ローニー(カナダドル)の上昇余地を抑えている。 レポートリンク: 暴動時の資本保全 - 2019年9月6日 薄商いの夏にもポートフォリオ調整 - 2019年7月5日 金、原油、暗号通貨について - 2019年6月28日 スイスフラン チャート II-15 CHFのテクニカル 1 CHFのテクニカル 1 CHFのテクニカル 1 チャート II-16 CHFのテクニカル 2 CHF テクニカル 2 CHF テクニカル 2 スイスの最近のデータは概ねネガティブだ: 貿易収支は8月に26億CHFから12億CHFへ縮小した。 クレディ・スイスの期待指数調査は9月に-15.4となり、8月の-37.5から改善した。 USD/CHFは今週横ばいだった。小さく開かれた経済であるスイスは、対GDP比で対外貿易比率が高い国の一つだ。8月の貿易収支は2018年1月以来の低水準で、化学・医薬品を含む主要輸出品の輸出減が響いた。貿易相手国では対独、対伊、対仏の輸出がすべて減少しており、ヨーロッパの製造業減速を反映している。それでも、貿易戦争の不確実性、ブレグジット混乱、中東の緊張、そして最近のトランプ弾劾の騒動の中では、リスクオフ局面で安全資産であるスイスフランにはポジティブな見方を維持する。 レポートリンク: スイスフランへの対応は? - 2019年5月17日 限界効用の逓減に注意 - 2019年4月19日 G10における国際収支 - 2019年2月15日 ノルウェークローネ チャート II-17 NOKのテクニカル 1 NOKのテクニカル指標 1 NOKのテクニカル指標 1 チャート II-18 NOKのテクニカル 2 NOK テクニカル分析 2 NOK テクニカル分析 2 今週のノルウェーからのデータは乏しい: 失業率は7月に3.8%に上昇し、4月から0.6ポイント上昇したと最近の労働力調査は示している。 USD/NOKは今週0.5%上昇した。G-10で唯一タカ派の中央銀行であるノルゲス銀行は先週、政策金利を25bps引き上げて1.5%とした。昨年9月以降、ノルゲス銀行は合計で4回利上げを行い、結果として金利は1ポイント上昇した。中央銀行は「ノルウェー経済は堅調である。雇用は増加している。稼働率は通常水準よりやや高いように見える。インフレは目標付近にある」と述べている。金利の上昇は住宅価格と家計債務の急増に風を止めるのにも役立つだろう。加えて、中央銀行はノルウェークローネに関する自らの見通しパスを引き下げ、石油セクターの活動低下などが今後もノルウェークローネに重しを与える可能性が高いと述べている。 レポートリンク: 薄商いの夏にもポートフォリオ調整 - 2019年7月5日 金、原油、暗号通貨について - 2019年6月28日 世界的なイールド・ダウンサイドへのシフトの中での通貨の自己満 - 2019年4月26日 スウェーデンクローナ チャート II-19 SEKのテクニカル 1 SEKのテクニカル指標 1 SEKのテクニカル指標 1 チャート II-20 SEKのテクニカル 2 SEK テクニカル 2 SEK テクニカル 2 スウェーデンの最近のデータはネガティブだ: 消費者信頼感は9月に90.6へ低下した。 PPIの前年比成長率は7月の2%から8月には1.4%へ低下した。 貿易収支は8月に54億SEKの赤字に転じた。 USD/SEKは今週横ばいだ。我々は世界成長の先行指標としてスウェーデンの対外貿易を注視している。スウェーデンの貿易収支は今年初めて赤字に転じたが、前年同月比では赤字幅は26億SEK縮小している。年初来ではスウェーデンの貿易黒字は270億SEKに達している。特に非EU諸国との財の貿易は66億SEKの黒字だが、EU諸国との貿易は120億SEKの赤字となっている点が目立つ。 レポートリンク: 米ドルは次はどこへ? - 2019年6月7日 G10における国際収支 - 2019年2月15日 通貨の単純な魅力度ランキング - 2019年2月8日 トレード&フォーキャスト 予想概要 コア・ポートフォリオ タクティカル・トレード 指値注文 クローズドトレード
Highlights The structural message for equities: prefer equities over bonds. As long as the global 10-year bond yield remains below 2 percent, the equity market’s rich valuation is underpinned, albeit the long-term return from equities is likely to be a feeble low single-digit. The structural message for bonds: overweight the higher yielding versus the lower yielding quality sovereigns, most notably overweight U.S. T-bonds versus German bunds. 10-year yields cannot rise much – maybe only 50-100 basis points – before the rise destabilises equity and other risk-asset valuations. But 10-year yields that are deeply in negative territory can fall even less. The structural message for currencies: tilt towards lower yielding currencies, with a preference for the yen. Once monetary policy is already ultra-accommodative, a central bank’s ability to devalue its currency becomes more and more constrained. Feature Japanification: Bring It On! I have always been bemused and perplexed by people using ‘Japanification’ as a pejorative for the European economy (Chart of the Week). In the west, the received wisdom is that Japan is a ‘basket case’, a fate to be avoided at all costs. Yet nothing could be further from the truth: Japan is, in many ways, an economic role model to which Europe and the rest of the western world should aspire. Chart of the WeekEmbrace 'Japanification' Over the past twenty years, Japan’s productivity growth has outperformed all the other major economies (Chart I-2). To be clear, this is based on real GDP per head of working age (15-64) population, the cohort of people who generate economic output. Still, some people counter that this definition flatters Japan’s productivity growth by omitting the significant number of over 65s who work, and that a fairer definition should divide by the total population. Yet even on this alternative definition, Japan has been doing just fine, performing better than France and broadly in line with Canada (Chart I-3). Chart I-2Japan Is Not A 'Basket Case' Chart I-3Japan Is Doing Just Fine Japan’s real output per head has improved while consumers have enjoyed genuine price stability (Chart I-4). Meaning zero inflation, and not the ‘fake price stability’ of 2 percent inflation that central banks are trying – and failing – to reach. ‘Japanification’ is a state that Europe should not eschew; it is a state that Europe should espouse. Moreover, contrary to what the Philips Curve would have you believe, the absence of inflation does not mean there is a reserve army of the unemployed. Japan’s unemployment rate, at 2.2 percent, is one of the lowest in the world. As is income inequality (Chart I-5). While life expectancy is one of the highest in the world. Chart I-4Japan Has Enjoyed Genuine ##br##Price Stability... Chart I-5...And The Absence Of Extreme Income Inequality This combination of rising productivity, genuine price stability, absence of extreme income inequality, and rising life expectancy means that, in Japan, living standards have been rising for the many, and not just for the few. In turn this has meant that while populist backlashes have erupted elsewhere in the world, Japan has remained a paragon of political stability. In all of these important regards, ‘Japanification’ is a state that Europe should not eschew; it is a state that Europe should espouse. Countering The Counterarguments Nevertheless, in the interests of a balanced debate, we must address the main counterarguments: First, isn’t Japan’s declining population evidence of a national malaise? No. Japan lacks living space. Its mountainous islands are habitable on only tiny slivers along the coasts, and these are among the most densely populated regions in the world. Therefore, as the journalist and Japan specialist Eamonn Fingleton explains, Japan’s low birth rate is a fundamental national policy that can be traced back to the late 1940s. Japan lacks living space. Shorn of empire, Japan faced a major food security problem. At a stroke, Japanese officials stopped dead in its track a huge baby boom which took hold between 1946 and 1948. Ever afterwards Japan has enjoyed – yes, that is the appropriate word – a low birth rate. Although the program’s rationale is not recognized in the West, it is fully understood in the East and both Singapore and China went on to formulate similar policies. Chart I-6Japan's Rising Public Indebtedness Counterbalanced A Plunge In Private Indebtedness Clearly, a nation whose working population is shrinking will produce less than it otherwise might have, but this doesn’t mean the economy is a basket case. Far from it. On a per head basis, as we have shown, Japan is doing just fine, and the imbalance between workers and retirees will gradually work out as people adjust their retirement ages (just as they will have to in the west). A second counterargument is that Japan’s government indebtedness has skyrocketed to over 200 percent of GDP, the highest among any major economy. But this increase in public debt was needed as a crucial counterbalance to a sharp decline in private indebtedness, and thereby prevent a deep slump (Chart I-6). Japan’s total indebtedness has remained broadly flat for decades. Third, the Nikkei 225, at 21,500 today, is barely at half of its 39,000 peak value in 1989. The simple explanation is that the main determinant of any long-term return is the starting valuation. The 1989 peak bubble valuation was so extreme – a price to sales of 2.2 compared to 0.75 today – that the subsequent dire returns were baked in the cake (Chart I-7). Chart I-7Japan's Bubble Was So Extreme That Subsequent Dire Returns Were Inevitable Fourth, Japanese bond yields have been near-zero or negative for almost two decades, which some commentators claim is a classic sign of an economy in ‘secular stagnation’. But as we have shown, these ultra-low yields have coexisted with a Japanese economy that is doing just fine. More recently, the residents of Switzerland and Sweden will vouch for the same thing – that negative bond yields categorically do not mean that their economies are ‘basket cases’. But have these economies progressed only because they have these ultra-low bond yields? No, the charts in this report show no (inverse) relationship between bond yields and long-term productivity growth. Which begs the question: if ultra-low bond yields are not a sign of an economy stuck in a funk, what are they a sign of? The Real Reason For Ultra-Low Bond Yields Chart I-8Inflation Is Stuck Well Short Of The 2 Percent Target Today, like a stuck record, the ECB will repeat again that inflation remains well short of its 2 percent target (Chart I-8), but that its resolve to reach the target is unwavering. Just as it was at the last meeting… last year… the year before that… and five years before that! Instead of loosening even further, the ECB should be explaining why, in spite of years of negative interest rates and trillions of euros of QE, inflation expectations have barely budged. As the ECB will not provide the explanation, we will. The public’s expected inflation – a fundamental input into economists’ models during the past half-century – is not well defined when an economy has reached price stability, as it has now. Chart I-9Unemployment Rates Are At Multi-Decade Lows Confirming what this publication has previously argued, Professor Jeffrey Frankel of Harvard University explains “most people pay little attention to the inflation rate when price growth is as low as it has been in recent years.” As a result, argues a paper from the NBER, large policy change announcements in the U.S., the U.K., and the euro area seem to have only limited effects on the inflation expectations of households and firms.1 However, as most economists and central banks fear that their credibility is at stake, they remain fixated on the need to reach the 2 percent inflation target. This requires them to double down, triple down, and then quadruple down on extreme accommodation, even though prices are stable, the economy is progressing, and unemployment rates have declined to multi-decade lows (Chart I-9). So in answer to our previous question, ultra-low bond yields are not a sign of an economy stuck in a funk; they are a sign of central banks that are chasing the wrong inflation target, and that are too scared to change the target for the damage it would do to their credibility. What Does This Mean For Stocks, Bonds, And Currencies?   Ultra-low bond yields are coexisting with economies that are doing fine, as we have seen in Japan, Switzerland, and Sweden. But at such low yields, the unattractive asymmetry of limited bond price upside with unlimited downside justifies exponentially higher valuations for equities and other risk-assets. Chart I-1010-Year Bond Yields Can Rise By Only 50-100 Basis Points So the structural message for equities is: as long as the global 10-year bond yield remains below 2 percent, the equity market’s rich valuation is underpinned. And on anything other than a trading horizon, equities are to be preferred over bonds – albeit the long-term return from equities is likely to be a feeble low single-digit. The structural message for bonds is: 10-year yields cannot rise much – maybe only 50-100 basis points – before the rise destabilises equity and other risk-asset valuations, thereby acting as a limiter (Chart I-10). But given that there is a lower bound to policy interest rates, 10-year yields that are deeply in negative territory can fall even less. Hence, the risk-reward dynamic suggests going overweight the higher yielding versus the lower yielding quality sovereigns: most notably, overweight U.S. T-bonds versus German bunds. On a structural horizon, prefer equities over bonds. The structural message for currencies is essentially the opposite to that for bonds: tilt towards lower yielding currencies because in a ‘race to the bottom’, a central bank’s ability to devalue its currency becomes more and more constrained. But which low yielding currency? As Japan has already undergone its ‘Japanification’, we like the yen. Fractal Trading System* With geopolitical risks having ebbed somewhat, a good tactical trade would be to lean against the technically overbought conditions in high-quality government bonds. Hence, this week’s recommended trade is to short the U.S. 10-year T-bond setting a profit target of 1.5 percent with a symmetrical stop-loss. In yield terms, this broadly equates to a target yield of 1.9% and stop-loss at 1.5%. Chart I-11U.S. 10-year T-Bond Price For any investment, excessive trend following and groupthink can reach a natural point of instability, at which point the established trend is highly likely to break down with or without an external catalyst. An early warning sign is the investment’s fractal dimension approaching its natural lower bound. Encouragingly, this trigger has consistently identified countertrend moves of various magnitudes across all asset classes. The post-June 9, 2016 fractal trading model rules are: When the fractal dimension approaches the lower limit after an investment has been in an established trend it is a potential trigger for a liquidity-triggered trend reversal. Therefore, open a countertrend position. The profit target is a one-third reversal of the preceding 13-week move. Apply a symmetrical stop-loss. Close the position at the profit target or stop-loss. Otherwise close the position after 13 weeks. Use the position size multiple to control risk. The position size will be smaller for more risky positions. * For more details please see the European Investment Strategy Special Report “Fractals, Liquidity & A Trading Model,” dated December 11, 2014, available at eis.bcaresearch.com. Footnotes 1 Please see http://conference.nber.org/conf_papers/f117592.pdf and the European Investment Strategy Special Report ‘The Case Against Secular Stagnation’ August 29, 2019 available at eis.bcaresearch.com. Dhaval Joshi, Chief European Investment Strategist dhaval@bcaresearch.com Fractal Trading System Cyclical Recommendations Structural Recommendations Closed Fractal Trades Trades Closed Trades Asset Performance Currency & Bond Equity Sector Country Equity Indicators Bond Yields Chart II-1Indicators To Watch - Bond Yields Chart II-2Indicators To Watch - Bond Yields Chart II-3Indicators To Watch - Bond Yields Chart II-4Indicators To Watch - Bond Yields   Interest Rate Chart II-5Indicators To Watch - Interest Rate Expectations Chart II-6Indicators To Watch - Interest Rate Expectations Content Chart II-7Indicators To Watch - Interest Rate Expectations Chart II-8Indicators To Watch - Interest Rate Expectations    
特別レポート Feature Feature ChartNo 'Secular Stagnation' In Japan! Bond yields have plummeted to all-time lows and inflation has continued to undershoot the 2 percent target which central bankers tell us is ‘price stability’. This configuration has led to renewed fears that the European and global economies are entering a so-called ‘secular stagnation’. We strongly disagree with this line of thinking. Near-zero bond yields and inflation are categorically not portents of a long-term drought in economic progress. Quite the opposite. Chart I-2Japan Has Experienced Near-Zero Inflation For Decades Japan has experienced near-zero bond yields and inflation for decades (Chart I-2). Yet since the late 1990s, the growth in Japan’s real GDP per head has outperformed every other major economy1 (Feature Chart). Granted, the Japanese government has been running persistent deficits, but this is to counterbalance private sector de-levering. Total indebtedness as a share of GDP has not been rising. In the post credit boom era, Japan’s economic progress has come entirely from productivity improvements. The ability to learn, experiment, and innovate boosts the quality and/or quantity of output from a fixed set of inputs. Unlike the unsustainable growth that is fuelled by credit booms and asset bubbles, real growth that comes from productivity improvements marks genuine and sustainable economic progress. In Europe, Switzerland tells a similar tale. Swiss bond yields and inflation have been near zero for decades, but they have not defined a secular stagnation. Real GDP per head and living standards have steadily advanced, even from an already high base. In the post credit boom era, Japan’s economic progress has come entirely from productivity improvements.  But the best counterexample comes from economic history. At the height of the British Empire in 1914, British consumer prices were little different to where they stood at the end of the English Civil War in 1651 – meaning that Britain experienced near-zero inflation and low bond yields for almost three centuries (Chart I-3). Did these define a secular stagnation? No, quite the opposite. For Britain, this was a golden epoch in which it emerged as the world’s preeminent economy. Chart I-3Britain Experienced Near-Zero Inflation For Centuries The Real Reason For Near-Zero Inflation And Bond Yields The fear-mongering about a secular stagnation misses the real reason for today’s sub-2 percent inflation and record low bond yields. Central banks have wrongly defined price stability. Central banks have wrongly defined price stability because they think of it in terms of the economics and mathematics in which they have expertise. Their models tell them that they can nail inflation to one decimal place – two point zero. But price stability has as much to do with biology and psychology. Biologists will tell you that the human brain cannot distinguish inflation rates between -1 and 2 percent, a range we indistinguishably perceive as ‘price stability’. If biology teaches us that we cannot distinguish between -1 and 2 percent inflation, then central banks have a huge problem. It is impossible for a central bank to change our inflation expectations within that range, because the entire range just feels the same to us. Therefore, our behaviour in terms of wage demands and willingness to borrow will also stay unchanged. And if our economic behaviour is unchanged, what is the transmission mechanism to fine tune inflation within the -1 to 2 percent range? Central banks have wrongly defined price stability.  Therefore, price stability is actually like a ‘quantum state’. You’re in the state or you’re out of the state, but once you’re in the state you cannot then fine tune inflation to an arbitrary number like two point zero. In fact, average inflation over, say, five years will gravitate to the mid-point of the price stability state, 0.5 percent, which is a long way below the central bank’s arbitrary target of 2 percent (Chart I-4). This forces the central bank into drastic and prolonged monetary policy easing – which depresses bond yields (Chart I-5). Chart I-4Central Banks Have Wrongly Defined Price Stability... Chart I-5...Forcing Them To Depress Bond Yields Monetary Policies Will Ultimately Converge As structural credit booms have sequentially ended, economies have one by one entered the state of price stability. First it was Japan; then it was Switzerland; more recently it has been the euro area and the United States. It follows that the 5-year annualised inflation rates have also sequentially tumbled to the mid-point of the price stability state, around 0.5 percent. By which point, inflation is so far below the misplaced 2 percent target, that the central bank’s drastic and prolonged monetary policy easing has depressed the 5-year bond yield to near zero. Japan reached this point in the late 1990s, Switzerland in the early 2010s, and the euro area in the late 2010s. Begging the question: why has the 5-year inflation rate in the U.S. not tumbled towards 0.5 percent too?  The answer is that actually, it has. On a like-for-like basis, 5-year inflation rates are way below the 2 percent target in all the major jurisdictions. You see, the Americans measure inflation differently to the Europeans. In the U.S., the consumer price basket includes owner-occupied housing costs at a substantial weighting, while in Europe it is completely excluded. Using the same definition of inflation as in Europe, the U.S. 5-year inflation rate is not at 1.5 percent, it is at a feeble 0.6 percent (Chart I-6). Chart I-6On a Like-For-Like Basis, U.S. 5-Year Inflation Is A Feeble 0.6 Percent Crucially, on a like-for-like basis, 5-year inflation rates are way below the 2 percent target in all the major jurisdictions: the U.S., euro area, and Japan. This leads us to believe that the current chasm in monetary policies is unsustainable. Even including owner-occupied housing in the consumer price basket, as the U.S. does, the long run boost to annual inflation is only about 0.2 percent (Chart I-7). Meaning that it is only a matter of time before U.S. structural inflation and bond yields converge with those in the euro area. Chart I-7Owner-Occupied Housing Boosts Inflation, But In The Long Run By Only 0.2 Percent In the meantime, the chasm between monetary policies has become a major geopolitical risk. This is because it has depressed the euro versus the dollar by at least 10 percent – based on the ECB’s own competitiveness indicators. The exchange rate distortion stemming from polarised monetary policies is the culprit for the euro area’s huge trade surplus with the United States (Chart I-8). On this point, President Trump is spot on to complain that the Fed’s policy stance relative to other central banks is severely handicapping U.S. manufacturers. As the president tries to counter this handicap with tariffs, real or threatened, the Fed is being forced to lean against the risks to growth and inflation. Chart I-8Blame Polarised Monetary Policies For The Euro Area’s Huge Trade Surplus With The U.S. What Does All Of This Mean? One way or another, the dollar will come under structural pressure in the coming years as the current chasm in monetary policies proves to be unjustified. However, in the near term, we prefer to express this not via the euro, but via the yen. The corollary is that U.S bond yields will eventually converge with their European counterparts. But to reiterate, a world with near-zero inflation is categorically not a portent of secular stagnation. It is just the true state of price stability as the human brain perceives it, rather than the over-precise two point zero that central banks have arbitrarily picked. In turn, ultra-low bond yields stem from the monetary policy response to this massive undershoot of true price stability from central bank defined price stability.   All of this raises a fascinating question: if bond yields are lower than is truly required, why hasn’t it created a new inflation? The answer is that it has, but the new inflation is not in the real economy. The reason is that the world has just been through a structural credit boom, remains heavily indebted, and is still unwinding some of the credit excesses. In this world, as Japan has illustrated in recent decades, productivity growth must drive economic progress. Instead, the new inflation is in equity and other risk-asset prices. At ultra-low bond yields the prospect of bond capital gains diminishes versus potential losses, making bonds as risky as equities. This removes the need for an excess return on equities and other risk-assets versus bonds, meaning that the valuation of risk-assets inflates exponentially (Chart I-9). So long as bond yields remain depressed, this new inflation in risk-asset valuations is well justified and supported.2  But be very careful if the global 10-year bond yield rises above 2 percent.3   Dhaval Joshi, Chief European Investment Strategist dhaval@bcaresearch.com Footnotes 1 Based on real GDP per working age (15-64) population, but also broadly true for real GDP per total population. 2 Please see the European Investment Strategy Weekly Report “Risk: The Great Misunderstanding Of Finance”, October 25 2018, available at eis.bcaresearch.com. 3 The global 10-year bond yield is the simple average of 10-year government bond yields in the U.S., euro area (or France as a proxy), and China.
特別レポート Dear Client, Please note that there will be no regular Weekly Report next week, as we take a summer break. Our regular publication will resume September 6th. Best regards, Chester Ntonifor, Vice President Foreign Exchange Strategy Highlights Our PPP models show the DXY index to be overvalued by 10-15%. Within the G10 universe, the cheapest currencies are the Swedish krona, the British pound, the Japanese yen and the Norwegian krone. Look to go short CHF/GBP on valuation grounds. Feature Regular readers of our publication will notice that we tend to adhere to very simple and time-tested ideas. One such is the concept of purchasing power parity (PPP). The beauty comes from its simplicity. If the price of a good in Sweden is rising faster than in South Africa, then the krona should depreciate versus the rand to equalize prices across both borders. Otherwise, the krona becomes incrementally expensive, relative to the rand. In practice, various models have shown PPP to be a very poor tool for managing currencies. One roadblock comes from measurement issues, since consumer price baskets tend to differ in composition from one country to the next. Second, there is less price discovery for services, than there is for tradable goods. For example, it is rather difficult to import a haircut from Mumbai into the U.S., and so arbitraging those prices away tends to be impractical. Tariffs, trade restrictions and transport costs also tend to dampen the explanatory power of PPP models, though those have had diminishing importance over time. In order to get closer to an apples-to-apples comparison across countries, we make two adjustments. First, we divide the consumer price index (CPI) baskets into five major groups. In most cases, this breakdown captures 90% of the national CPI basket: Food, restaurants and hotels Shelter Health, culture and recreation Energy and transportation Household goods The second adjustment is to run two regressions with the exchange rate as the dependent variable. The first regression (call it REG1) uses the relative price ratios of the five groups as independent variables. This allows us to observe the most influential price ratios that help explain variations in the exchange rate. The second regression (call it REG2) uses a weighted average combination of the five groups to form a synthetic relative price ratio. If for example, shelter is 33% in the U.S. CPI basket, but 19% in the Swedish CPI basket, relative shelter prices will represent 26% of the combined price ratio. This allows for a uniform cross-sectional comparison, compared to using the national CPI weights. The results were largely consistent: Both regressions were statistically significant, but more so for REG1. This makes intuitive sense, as the number of variables were higher in the first regression. The sign for household goods was negative for some countries. This could be due to some specter of multicollinearity, if the tradable goods price effect is captured in other categories. There is also the low value-to-weight ratio for many household goods such as refrigerators or air conditioners, which could make currency deviations from PPP persistent. The shelter sign was also negative for some countries, meaning rising shelter prices tended to be associated with an incrementally cheaper currency. This could be due to the Balassa-Samuelson effect. Rising incomes (one key determinant of rising house prices) usually reflect rising productivity levels, which tend to lift the fair value of the exchange rate. The results showed the U.S. dollar as overvalued, especially versus the Swedish krona, British pound and Norwegian krone. Commodity currencies were closer to fair value, and within the safe haven complex, the Japanese yen was more attractive than the Swiss franc. The euro was less undervalued than implied by the overvaluation in the DXY index. As a final note, PPP models are just an additional kit to our currency toolbox, and so should never be used in isolation, but in conjunction with other currency signals. This is just a first iteration in our PPP modelling work, which we intend to improve in the months to come. U.S. Dollar We reverse-engineered the fair value for the DXY index by aggregating the model results from its six constituents. This includes the euro, the Japanese yen, the British pound, the Canadian dollar, the Swedish krona, and the Swiss franc, using the corresponding DXY weights. The message from the synthetic model is clear: the U.S dollar is above its fair value, in line with our fundamental view (Chart 1). Chart 1The Dollar is Slightly Expensive Americans spent 35% of their income in 2018 on goods and 65% on services. Shelter remains the single largest consumption item for American households, which makes up 33% of the consumption basket. However, the relative importance of shelter is dwarfed by much more rampant rent and house price increases in other developed countries. Medical care accounts for 8.7% of the CPI basket, and is the highest in the developed world on a per capita basis. Total spending on health care accounts for almost 20% of nominal GDP. Since the 1980s, the CPI for medical care has risen fivefold, far outpacing many developed countries. This makes the dollar incrementally expensive.  Core CPI edged higher to 2.2% in July, driven by medical care and shelter. While above the Federal Reserve’s 2% target, the risks to inflation remain asymmetric to the downside. That will keep the Fed on a dovish path near-term, which should help close overvaluation in the dollar. Euro We had limited data for the euro area, and so our regression results were less robust. REG1 shows the euro as cheap, while REG2 is more ambiguous (Chart 2). In short, a PPP model for the euro had one of lowest explanatory powers within the G10 universe. Food, restaurants and hotels are the largest consumption item in the euro CPI basket. Looking at the details, food and non-alcoholic beverages account for 14%, alcohol and tobacco make up 4%, and restaurant and hotels account for about 10% (Table). Relative price trends have moved to undermine the fair value of the euro. Chart 2The Euro Is Slightly Cheap Euro Area CPI Weights Shelter’s weight in the euro area CPI basket currently stands at 16.7%, the smallest among G10 countries. Since 2012, relative house and rent prices in the euro area have been decreasing compared with that in the U.S. Rampant rent controls, especially in places like Germany have subdued housing CPI, and tempered the fair value of the euro. This makes sense to the extent that it represents a concomitant rise in the welfare state. It is well-known that the euro area is relatively open and so tradable goods prices are important for the fair value of the euro. Given that the epicenter of trade tensions is between the U.S. and China, this will act to boost the relative attractiveness of European goods, which will be a bullish underpinning for the euro. Inflation expectations have collapsed in the euro area. However, compared to the Federal Reserve, there is little the European Central Bank can do to boost inflation. This is relatively euro bullish. Once global growth eventually picks up, improved competitiveness in the periphery will allow for non-inflationary growth. Japanese Yen The yen benefits from being cheap, as well as being a safe-haven currency (Chart 3). The overarching theme for Japan is a falling (and rapidly aging) population, which means that deficient demand and falling prices are the norm. This makes the yen relatively attractive on a recurring basis. Most of the Heisei era in Japan has been characterized by deflation. Importantly, all categories in Japan have been in a relative price downtrend during this period (Table). Domestically, an aging population (that tends to be a large voting base), prefer falling prices. Meanwhile, the bursting of the asset bubble in the late 80s/early 90s led to a powerful deleveraging wave that undermined prices. Chart 3The Yen Is Quite Cheap Japan CPI Weights The relative prices for most items have been decreasing, but culture and recreation inflation have experienced a meaningful rebound since 2013, largely due to a booming tourism industry in Japan.1 According to tourism statistics, the number of international visitors to Japan reached 31 million in 2018, almost five times the number ten years ago. But as long as the younger generation in Japan continues to save more and consume less, prices will remain under pressure. BoJ Governor Haruhiko Kuroda remains committed to achieving a 2% inflation target, but inflation expectations are falling to historical lows at a time when the BoJ is running out of policy bullets.2  That means inflation will likely lag that of other developed countries, lifting the fair value of the yen. British Pound Both regressions show the pound as undervalued. This supports our view that over the long term, the pound is a categorical buy (Chart 4). The consumption baskets in both the U.K. and the U.S. are roughly similar, which means traditional PPP models do a good job at capturing the true underlying picture of price differentials (Table). For example, OECD PPP models, based on national expenditure, show the pound as 15% undervalued. Chart 4The Pound Is Cheap U.K. CPI Weights Housing is the largest item in the consumption basket, with a total weight close to 30% (including housing electricity and water supply). The shelter consumer price index in the U.K. started to fall relative to the U.S. in 2016, which has lowered the fair-value of the pound (in the Balassa-Samuelson framework). That said, the fall in the pound has been much more deep and violent than suggested by domestic price fundamentals. For example, food restaurants and hotels are 10% cheaper in the U.K. compared to the U.S. over the last half decade. However, rather than appreciating 10%, the pound has plummeted by about 30%. Brexit will continue to dictate the ebb and flow of sterling gyrations, but the reality is that the pound should be higher on a fundamental basis. Meanwhile, a pick up in the global economy will benefit the pound. Going short CHF/GBP on valuation grounds is an attractive bet today. Australian Dollar As a commodity currency, PPP models are less useful for the Australian dollar than terms of trade, or even interest rate differentials. That said, the Aussie dollar is still relatively cheap versus the USD on a PPP basis (Chart 5). The key driver for value in the AUD has been a drop in the currency, relative to what price differentials will dictate. Food, restaurants and hotels comprise 23% of the Australian CPI basket, with the alcohol and tobacco category alone making up 7.4% (Table). Given food price differentials have been stable versus the U.S. in over a decade, Aussie citizens have not been particularly worse off. Chart 5The Aussie Is Slightly Cheap Australia CPI Weights Shelter accounts for almost a quarter percent of the basket. Relative shelter prices in Australia have been rising since the late 1990s, but started to soften in the past few years, on the back of macro prudential measures. Meanwhile, holiday travel and accommodation have a total weight of 6%, of which domestic travel makes up 2.9%, and international travel 3.1%. The overall cost of tourism in Australia has been falling relative to the U.S., boosting the fair value of the Aussie. In the 1980s, inflation in Australia averaged around 8.3% year-on-year. This made the Aussie incrementally expensive, creating grounds for a subsequent 50% devaluation from 1980 to 1986. Inflation targeting was finally introduced and has realigned Aussie prices with the rest of the world. Our bias is that the Aussie will be less driven by price differentials going forward, but more by RBA policy and terms of trade. New Zealand Dollar The New Zealand dollar is at fair value according to both models (Chart 6).  Like the aussie, the kiwi is less driven by price differentials and more by terms of trade. Food and shelter account for the largest share of the consumption basket, and relative prices have not been moving in favor of the kiwi (Table). So, while the kiwi was overvalued earlier this decade, the overvaluation gap has been mostly closed via a higher dollar. Chart 6The Kiwi Is At Fair Value New Zealand CPI Weights Relative shelter prices in New Zealand have been soaring in recent decades compared to the U.S. Higher immigration, foreign purchases and a commodity boom helped. However, in August 2018, the ban on foreign property purchases came into effect, which helped cool down the housing market. Like in Australia, the inflation rate in New Zealand reached 18% year-on-year in the early 1980s, and was subsequently addressed via inflation targeting. This has realigned New Zealand prices somewhat with the rest of the world. Our bias is that going forward, the kiwi will underperform the aussie, mainly because of a negative terms of trade shock. Canadian Dollar The loonie is currently trading below its fair value, according to both of our models (Chart 7).  Shelter remains the largest budget item for Canadian households (Table). The average Canadian household spent C$18,637 on shelter per year, around 29.2% of the total consumption in 2017.3 Interestingly, the shelter consumer price index does not fully capture skyrocketing house prices in Canada over the last decade. Since 2005, Canadian house prices relative to U.S. have doubled, according to OECD. On the contrary, the relative shelter CPI has trended downwards. These crosscurrents have dampened the explanatory power of the exchange rate. Chart 7The Loonie Is Slightly Cheap Canada CPI Weights Canadians are avid users of private transportation. The average spending on transportation accounted for 20% of total consumption, the second-largest expenditure item. Relative prices in this category have been rising, which has lowered the fair value of the exchange rate. Canada stands as the sixth largest energy producer in the world, but due to heavy taxation, Canadian consumers are paying more for gas prices than their U.S. neighbors. That said, terms of trade have been more important than PPP concerns for the loonie. In the near term, we believe energy prices (and the Western Canadian Select price spread) will continue to be important for the loonie. Swiss Franc USD/CHF is trading slightly below fair value, despite structural appreciation in the franc in recent years (Chart 8). The largest consumption item in Switzerland is the food, restaurants and hotels category (Table). The second item is shelter. Social services have a higher weight in the CPI basket, compared to other developed nations. This has been a huge driver of relative prices between Switzerland and the rest of the world, with falling relative prices boosting the fair value of the franc. Chart 8The Swiss Franc Is At Fair Value Switzerland CPI Weights Healthcare notably accounts for 15.5% in the total CPI basket, of which patient services makes up 11.5%. The Swiss healthcare system is a combination of public, subsidized private, and entirely private systems. It is mandatory for a Swiss resident to purchase basic health insurance, which covers a range of treatments. The insured person then pays the insurance premium plus part of the treatment costs. Finally, as a small open economy, tradable goods prices are important for Switzerland. Given high levels of specialization, terms-of-trade in Switzerland are soaring to record highs. This makes the franc a core holding in a currency portfolio. Norwegian Krone The Norwegian krone is undervalued according to both models (Chart 9). Food and shelter account for the largest share of the Norwegian CPI basket (Table). While the share of shelter is lower than in the U.S., other categories share similar weights, allowing traditional PPP models to be adequate for USD/NOK. One difference is that in terms of social services, only 0.2% of the expenditures are allocated to education, since all schools are free in Norway, including universities. Chart 9The Norwegian Krone Is Cheap Norway CPI Weights As a large energy producer, Norwegians pay less for electricity, gas, and other fuels. Norway is also a heavy producer of renewable energy, notably hydropower. This makes the domestic energy basket less susceptible to the ebbs and flows of energy prices. Going forward, the path of energy prices will continue to dictate ebbs and flows in the krone. Meanwhile, long NOK positions also benefit from an attractive valuation starting point.  Swedish Krona The krona is the cheapest currency in our universe by a wide margin (Chart 10). This stems less from fluctuations in relative prices and more from negative rates that have hammered the exchange rate. Like many countries, food and shelter is the largest component of the consumption basket (Table). Transportation is also important. However, an important driver for undervaluation in the currency has been a drop in the relative price of social services. Chart 10The Swedish Krona Is Very Cheap Sweden CPI Weights Sweden experienced very high inflation rates in the 1980s, and since then, has been in a disinflationary regime. More recently, the inflation rate has edged down below the Riksbank’s target, mostly dragged down by recreation, culture, and healthcare. This makes Swedish real rates relatively attractive. We remain positive on the Swedish krona and believe that it will be one of the first to benefit, should global growth pick up.   Chester Ntonifor, Foreign Exchange Strategist chestern@bcaresearch.com   Kelly Zhong, Research Analyst kellyz@bcaresearch.com Footnotes 1 We removed the shelter component in regression 1, since it was distorting results. 2 Please see Foreign Exchange Strategy Weekly Report, titled “Short USD/JPY: Heads I Win, Tails I Don’t Lose Too Much”, dated May 31, 2019, available at fes.bcaresearch.com 3 Please see “Survey of Household Spending, 2017,” Statistic Canada, December 12, 2018. Trades & Forecasts Forecast Summary Core Portfolio Tactical Trades Limit Orders Closed Trades
Since Kuroda became governor in 2013, the Bank of Japan has rolled out aggressive monetary easing. It has cut rates to -0.1% and introduced a policy of “yield curve control,” which aims to keep the yield on 10-year JGBs at 0%, plus or minus 20 basis points.…
This morning, the Flash PMI saw a stabilization in the European manufacturing sector. Euro area manufacturing PMI moved up to 47 from 46.5, and in Germany, it rose to 43.6 from 43.2. In Japan, the manufacturing PMI also stabilized, inching 0.1 points higher…
Deteriorating demographics is a key reason why inflation has remained subdued. The Japanese population peaked in 2009 and, over the past eight years, has shrunk on average by 0.2%, or 220,000 people, a year. Furthermore, the working-age population (25-64) has…
Japan’s labor market appears very tight. The unemployment rate is 2.3%, the lowest since the early 1990s, and the jobs-to-applications ratio is 1.61, the highest since the 1970s. And yet wage growth has remained stagnant, averaging only 0.5% over the past…